実験
「あ。どうも」
私も笑顔だ。
「……知り合ってから、半年ね」
「そう?そんなに?」
「桜、咲いてたし」
「記憶にない。美結さんばかり見てたから」
「嘘。そんなことないでしょ」
「ほんと、ほんと」
「だって、加奈と付き合ってたじゃない」
「そうだけど……」
ステーキが来た。
「あっ。美味しい」
「あっ。わさび合うね。いけるよ」
「そう?……ああ、本当ね。くせになるかも」
「だねぇ。今度、自宅でも試そう」
そのあとは二人とも食事に専念した。私は美結さんのペースに合わせてややスローテンポで食べた。