ことばの雨が降ってくる
*心がくじけそうでも立っていられる*
“はるかな青空”を書いていたとき、次男が不登校になっていました。
この作品の中の女の先生は、次男が小学校3年生の時の担任がモデルで、次男は円形脱毛症になったほどでした。
いやはやひどい先生でした。
風の噂では、別の学校では保護者から総スカンをくって、担任をおろされたそうです。
ですが、次男が不登校になったのはこのときではなく、中学3年の1学期でした。
部活内で次男のしたことが、結果的にある生徒によるいじめの発覚につながったのはよかったのですが、担任の対応のまずさから不登校になってしまったのです。
次男は新入生のいる前で、そのいじめをしている生徒を殴ってしまったのが気恥ずかしくて、ちょっとの間部活を休もうとしただけなのです。
ワタクシは部活の顧問の先生と話し合って、少しほとぼりが冷めるまで部活を休むという合意に至っていました。
それを担任にも伝えていたのですが、力のない担任は、生徒指導の先生から次男に部活にでるよう言えといわれて、部活にでない次男を責めたのです。
ある時などは授業中別の教室に監禁して、「部活にでるって言うまで出さない」とまで言ったのだとか。アホか。
ワタクシが意見を言っても、「部活をやるのが決まりだから」だとか「ほかの生徒から聞かれたとき、理由に困る」だとか言うのです。
ワタクシ、ここまでアホな先生にあったことありませんでした。
次男が不登校になるのも当たり前です。
とはいえ、彼が家にいる間、ワタクシもなんともできず、くじけそうになりました。
息子にはもっと強い心を持ってほしいし、理不尽なことに負けてほしくない。
ただ彼自身もどうしていいかわからないことから、わがままを言う。
「甘ったれるな」と叱咤したことも。
おまけに、我が家には目と鼻の先に夫の兄弟がいて、日頃から結構口を出してくるのがうっとうしいのです。
不登校を隠すのがつらかったですね(おいおい)
でも、そんなときでも自分が自分として立っていられたのは、書くことがあったからだと思います。
気持ちを切り替えて、家にいるならと、パンを作ったり、料理をしたり、明るく楽しい不登校をめざしました。
結局、次男は友だちが手をさしのべてくれたので、不登校から抜け出すことができました。
つばめを育てるのも、我が家では年中行事のようになっていて、この数年前つばっちと名付けたつばめを無事に空へ帰した経験を織り交ぜて物語を構成しました。
作品名:ことばの雨が降ってくる 作家名:せき あゆみ