ことばの雨が降ってくる
*自分を信じること*
まあ、ミセスの一件以来、変なうぬぼれがなくなってからは、変な自信もなくなって、無欲になりました。
自信っていうのは、結局『自分を信じること』で、日々精進するしかないわけですよ。
おもしろいことに、無欲になってから入賞することが多くなりました。
(そのあと、また別のおかしな自信をもってしまって、失敗したりしますけど)
童話を書き始めた頃、ワタクシは更年期障害でへろへろでした。
これではいけないと一念発起して、外へ仕事にでることにしたのです。
その講習に通っているときです。講師の方の笑顔がとてもすてきだったのです。
その笑顔をもとに書いたのが“しんせつ保険”で、書きあがったとき、何かが手のなかにすうっと入ってくるような気がしました。
ジャパンエナジー主催の《JOMO童話賞》に応募して、数ヶ月後、入賞の連絡があったのです。
この童話賞に応募をはじめてから、6年目の快挙でした。
仕事を休んでホテルで開かれた豪華なパーティに参加し、そうそうたる児童文学の大御所の先生と一緒に写真をとってもらったりしました。
大賞作品は、このとき女優の岸田今日子さんが朗読されたのですが、これがまた感動物で、このとき、絶対大賞を取って岸田さんに朗読してもらうんだ、と心に誓ったのですが、この半月後に岸田さんは亡くなってしまいました。
この後もJOMOには何度か応募を続けましたが、もう最近はやめました。
作品名:ことばの雨が降ってくる 作家名:せき あゆみ