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せき あゆみ
せき あゆみ
novelistID. 105
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ことばの雨が降ってくる

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*なんでもいいから、一つうぬぼれを持つこと*



それが壊れたとき、ほんとうの自信が生まれる。

とは、高校の同級生が先生から教えてもらったという言葉です。

ミセス童話賞があった頃、公募を始めたばかりのワタクシも応募しました。
途中経過が発表される(とはいえ、その時点でもう入賞者は決まっていたらしいですが)ので、その号が発売されると、いそいそと本屋さんへいったものです。

初めて応募した“雪のチルル”が一次選考を通過したのを確認したときは、うれしかったですね。
次の年は“UFOがやってきた”が二次選考を通過したので、順調にいけば次の年で入賞にこぎ着けると、へんな自信を持ってしまったのです。
まあ、うぬぼれですね。

ところが3年目、“ぼくと夢の木”を出したワタクシ。一次二次通過者のなかに名前がありません。
ショックでした。
ミセスは、一次で落とされるなんてありえないと自分では思いこんでいたのです。うぬぼれていたのですよ。

ほかの公募でかすりもしないことよりも、このときはショックで、しばらくなにも書けなくなりました。

ネットを徘徊して、イラストのサイトを見つけ、自分でもまた描いてみようと思いました。
ですが、ペンタブがなじまなかったので、お絵かき掲示板に、マウスで描く練習を始めたのです。

それこそ腱鞘炎になるくらい没頭しました。
次第に気持ちが落ち着き、再び物語がかけるようになりました。
このときも、子どもの頃、自分の身の回りにあった年中行事のことを書こうとおもいたちました。

こちらの地方の七五三は、『七つ子さん』といって、男女とも七歳だけを祝います。

七歳になる子どもがいる家では、近所の子どもたちにお汁粉をふるまう習慣があったのですが、現在ではすっかり廃れてしまっているので、懐かしんで書きました。その作品が“ななつのお祝い”です。

この後、“きんぎょの日”で三次選考まで行きましたが、童話の公募自体をミセスではやめてしまったので、残念ながら入賞するまでがんばれませんでした。