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せき あゆみ
せき あゆみ
novelistID. 105
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ことばの雨が降ってくる

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*メモ魔になれ*



物書きを始めると、ついついなにかネタになることはないかと、周りを観察し始めますね。
いついいアイディアがひらめくかもしれないし。

その時、メモを取ることを勧められました。
覚えているには限界がありますから、ちょっとメモをするという習慣を身につけるといいと、大御所の先生からいわれたのです。

もちろん、メモを取っただけのままでは役に立ちませんから、必ず整理しておくことも忘れないように。
ワタクシはメモをしたものを、表にしてパソコンに保存しています。

ワタクシは現在病気欠勤中ですが、カット描きの仕事と平行して外回りの仕事をしています。
このとき、ネタをひろう訳です。

あるとき、訪問したお宅でチャイムのボタンを押そうとしたとき、玄関のドアに紙切れが張ってあるのに気がつきました。
よく見ると、子どもの字で「おばけやしき」と書いてあります。
なにかに使えそうだと思って、メモしておきました。

またあるときは、駅で電車を待っていたらにわか雨が降ってきました。
すぐにやんで、そのあと虹がでました。
何気なくホームの途切れた先に目をやると、そこが虹の根元になっています。
虹の根本には宝物があるって聞いたけど……うふふ。

それもまだメモの表の中にあります。

外回りの仕事で拾ったネタから書いた物語が“海の星”です。
海のものを扱った小さなお店があって、入ってみたのです。そこで白いヒトデを見つけました。
つれてって、と言われたような気がして、買い求めましたが、そのお店は、次に行った時にはもうありませんでした。

しかし、最近ではメモしたことすら忘れるワタクシ……。これはどうにもなりませんね。