ことばの雨が降ってくる
*文章にはリズムがある*
今でこそ、家庭用のパソコンが普及して、だれでも文章を書くことができるようになりましたが、ちょいと昔はまだまだ原稿用紙が主流でした。
印刷業の世界でも、最初はタイプや写植で文章を印字していましたが、ワープロが出て、やがてパソコンが出てくると、そちらで印字するようになってきます。
ワタクシも、原稿用紙から版下用の原稿を作成する仕事をしばらくの間、在宅でやっていました。
はい。今でこそどなたもパソコンで入力してくれるので、失業しましたが。
その入力の仕事ですね。
ワタクシは、主に農業書関係でしたので、執筆された方は、その道の達人ではありますが、書くことには素人さんです。
書くことに慣れていませんから、文章がめちゃくちゃです。仕方がないことですが。
当然、直しながらキーをたたくわけですが、打ちにくいことこの上ないのです。あっちこっちつっかかって、最後には眠くなってしまうありさま。
ところがある時、打っていてとても打ちやすい文章にであいました。
小気味いいリズムで、どんどん打ち込めるのです。
執筆者の名前を見たら、なんと、有名な民族学の先生でした。
十分に練られたうまい文章にはリズムがあるのだと、身にしみて感じたできごとでした。
作品名:ことばの雨が降ってくる 作家名:せき あゆみ