キミと一緒!
―どこまで、走ったんだろう。
―どこまで、逃げたんだろう。
―どこまで、どこまで・・・
「俺の人生になんか、“どこまで”なんかねーんだよ・・・・」
春樹はどこかの公園の釜倉みたいな遊具の中に入っていた。
「ははっ・・・・これじゃ俺・・・迷子みてーじゃねーか!・・・ははっ・・・・は・・・」
―朱莉
―朱莉に会いたい
―朱莉に触れたい
―朱莉を俺のものにしたい
「俺・・・頭可笑しんじゃねーのか?19になって朱莉朱莉って・・・・・・うぜぇ、雨降ってきやがった」
公園にはザンザンと雨が降っている。多分この遊具から出たら一瞬でズブ濡れになってしまう程の威力の雨だった。
「どーせ、俺は要らないんだ。何をやってもクソ兄貴共だけ褒められる。俺は悪くねーのに俺だけが怒られる。なのに・・・なのにどうして!朱莉は、朱莉は俺にかまってくれんだよぉっ!!!」
騒いでも喚いても聞こえない声。届かない音。
どんなに一生懸命にやっても誰も認めてくれない。
そんな春樹に光はない。見えるのは闇。
世界なんて明るくない。
淀んで、薄汚い世界に・・・
―1つの光
それは自分より幼くて、体も華奢で
ただ、普通の男
けど、自分の意思はしっかりと貫いていて
どんなに絶望的な闇にでも打ち勝つ心を持っている
―なぁ、お前の名前を呼んだら、ずっといてくれるか?
―助けてって言ったら、助けてくれるか?
―俺のことだけを好きでいてくれって言ったら、好きでいてくれるか?
―俺のこと、愛してくれるか?
「たす・・・けろよ・・・・・たすけてよ・・・朱莉・・・!!!」
―昔々、あるところに、1人の男の子がいました。その男の子はとっても気が強く、口も悪い、村の皆に嫌われていました。
けど、そんな男の子を決して嫌いにならない1人の少年がいました。その少年はみんなにとっても愛されていていました。男の子は、荒っぽい言葉で少年に言いました。
『別に、俺のことなんか構わなくたっていいんだよ!!さっさとあっちに行け!』
けど、少年はこう応えました。
『僕は、キミと一緒にいたいんだ。だから、一緒に遊ぼう?』
少年は優しく接してあげました。
こうして、男の子と少年はとっても仲が良くなりました。
―ある日、2人は紙飛行機を作って飛ばして遊んでいました。
けど
『あっ・・・!!紙飛行機、木に行っちゃった・・・』
『俺が取ってやろうか?』
少年は大丈夫。と言って木に登りました。無事、紙飛行機を取ることが出来て少年は木から降りようとしました。すると、手が滑って少年は木から落ちてしまいました。
『・・・だ、大丈夫か!?どこか・・・どこか痛い所はないか!?』
『うん・・・大丈・・・いたっ・・・ハハ、手、切っちゃった』
少年はほら、と言って男の子に怪我して血が出ている指を見せました。
『っあ・・・・!!!!あああああああああああ!!!!!!』
『!?ど、どうしたの・・・っ!?』
男の子は行き成り叫ぶと少年の指を口に入れると、バクッっと食べてしまいました。
『い・・・・・たああああああああああああああああああああああ!!!』
少年はただ叫ぶことしか出来ませんでした。
そして、男の子は少年の体を全て食べ、殺してしまいました。
最後に少年が言った言葉は―・・・