キミと一緒!
『・・・・・・・あー・・俺だけどよ。その・・・・てめぇとの約束、破っちまった。・・・ゴメン。けど、あの時は、あぁするしかなかったんだ!!!だから・・・・っあぁ、分かった。どんな拷問だって受けてやらぁ。じゃぁな』
「・・・っ・・・!!!」
―春樹が、契約を終えてしまった。
どうするんだ!契約をしてしまったと言うことは、朱莉君の血を吸い、朱莉君の体を奪うと言う事なのに・・・!!けど、この話は少し考える必要がある。
『・・・ゴメン』
「まさか・・・」
“ごめん”が聞けるなんてね・・・・
「・・・ん・・・はるき・・・・にい・・?」
「・・・つ、あ、あぁ。起きたのか。」
「何か・・・体が痛い・・・よ。足とか・・・」
朱莉は少し痛そうな顔をしたがいつも通り、笑顔で話していた。
一応は朱莉には普通の服を着せてある。勝手に犯してしまったから、これくらいと春樹は思ったのだろう。
「・・・・ぁ、服、着てある。・・・・ありがと、春樹兄」
「・・・・いや・・・・」
朱莉は眠たい目を擦った瞬間、春樹の表情が一片した。
「・・?は、春樹、兄・・?」
「あ・・・・ああ・・・・ぁ・・・・・・うあああああああああああああ!!!!!!」
「っど、どうしたの・・・!?」
春樹はソファから立ち上がると玄関を出て何処かへ走っていった。
「・・・・・血」
「はぁ・・・っは・・・・・っく・・・!!」
―走らなきゃ
「怖イ・・・怖い怖い怖い!!!」
『化け物がここにいる!春樹は化け物!春樹は化け物!』
―追いかけられる!
『ばっけもの!ばっけもの!ばっけもの!』
―やめろ・・・・それ以上言うな
『人殺しのばっけもの!』
「やめろおおおおおおおおおおお!!!!」
(春樹兄、どこいったんだろ・・・・探すってのもどこへ走っていったのかわからないし・・)
朱莉はソファに座ったまま、ずっと考えていた。
「・・・・俺は・・・・俺はいつも守られてばっかりだ。騙されたときも、いつも兄さん達が助けてくれた。なのに・・・なのに俺はッ!1人も助けられないのかよ!!!」
テーブルに朱莉は手をバンバンと打っていた。
ジンジンとする痛み。
「けど、春樹兄は、もっと、もっと痛いんだよね」
朱莉は立ち上がると玄関へ走っていった。
「待ってて、春樹兄」
直ぐ様玄関を出て走っていった。
空は、雨が降りそうな雰囲気を漂わせていた。