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島原あゆむ
島原あゆむ
novelistID. 27645
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【第九回・弐】パッパヤッパー

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「…相変わらずだねぇだっぱは…」
阿修羅が苦笑いで言う
「オライがついて行くからかるらんは休んどり?」
阿修羅が迦楼羅に言った
「ワシも行くといっているだろうッ!!」
迦楼羅が怒鳴る
「かるらん大丈夫なの?」
悠助が心配そうに迦楼羅に聞いた
「ワシは大丈夫だ!! …ワシより…」
迦楼羅が乾闥婆が出て行った後の玄関を見て顔をしかめた
「行くだけならいいんじゃないの?」
慧喜がさらっと言う
「ってもなぁ…かるらん…ヘロヘロしてんじゃないけ;」
阿修羅が迦楼羅を見て言った
「アンタがおぶっていけばいいんじゃない」
慧喜が阿修羅を指差して言うと迦楼羅と阿修羅が顔を見合わせた
「…頼んだぞ」
「…頼まれちゃったねぇ;」
迦楼羅がにっこり笑って言うと阿修羅もハッハと笑った

「ぅえええええええ~」
「泣くなッ!!;」
下半身トランクス一丁の京助が怒鳴った先には幼稚園児泣きをする緊那羅
「勝ちましたわ…!!」
その横でガッツポーズ取るのはヒマ子
「ズボン脱げただけだろがッ! …首が抜けたらアカンだろ;」
どうやら京助綱引きに負けたことが悔しいらしく緊那羅は泣いているらしい
「愛ですわ!!」
ヒマ子が京助を見て叫んだ
「何がだッ!!;」
京助が怒鳴る
「…ぅ」
緊那羅が口を押さえて小さく言った「う」に京助が動きを止める
「…オイオイ…; まさか…;」
京助が口の端をひくつかせながら緊那羅を見た
「出る…」
「ギャ-------------------------------!!; 待て待てッ! 出すなッ!!;」
叫んだ京助が緊那羅を抱き起こして廊下に出た
「ぅ…ぇ」
「うえじゃね----------------------------ッ!!;」
緊那羅の足を引きずりながら京助が目指すはおそらくトイレ

ジャ-----------------------…ゴポゴポ…

「うぇええええ;」
トイレから聞こえたのは緊那羅ではなく京助の声
「…っ…; なんで俺がもらいゲロ…;」
どうやら緊那羅の吐く姿を見て京助も吐き気を催したらしく
「コレって移るんだっちゃ…?」
狭いトイレの右側の壁にもたれながら緊那羅がボソッと言った
「移ってるから吐いてるんだっちゃよ;」
京助が便座に腕をついて小さくゲップをする
「…何してるの緊ちゃんと…京助…」
少し前の方が濡れているシャツの悠助と慧喜がトイレの戸を全開にして中にいた二人に聞く
「…ゲロ吐いてんだよ;」
疲れきった顔で京助が答えた
「義兄様匂いすっぱい…」
慧喜が鼻をつまんで言う
「具合悪いの? 京助も緊ちゃんも…大丈夫?」
悠助が京助の背中をさすりながら心配そうに聞いた
「あ~…大丈夫; 俺はもらいゲロだから;」
京助が悠助の頭を撫でながら言う
「かるらんも具合悪そうなのに大丈夫だったのかなぁ…」
悠助が眉を下げて言う
「鳥類が? …そういやさっき玄関で何してたんだ?」
京助が悠助と慧喜に聞く
「あのね…僕がコマとイヌにお酒かけたら大きくなってソレをけんちゃんが追っかけててそのけんちゃんをあっくんにいちゃんとかるらんが追っかけてったの」
悠助が答えた
「…そういやお前酒臭ぇな;」
京助が悠助のシャツを嗅いで言う
「…って…待てよ…?;」
京助がハタと動きを止めた
「追いかけてった…?」
京助が慧喜と悠助に聞くと二人が頷く
「…ただでさえ目立つあの格好で?」
京助が再び聞くと再び二人が頷く
「しかも何だか知らんけどでっかくなった犬二匹を追っかけてった?」
またも京助が聞くとまた二人が頷いた
「……」
そしてしばしの沈黙
「ぅぷ;」
緊那羅が口を押さえて京助を押しのけた
「お前まだ吐くのか;」
京助が緊那羅の背中をさすりながら言う
「…それって…結構…ヤバイと思うか?」
京助が慧喜と悠助に聞くと顔を見合わせた後二人して頷いた