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島原あゆむ
島原あゆむ
novelistID. 27645
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【第九回・弐】パッパヤッパー

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「…脱兎ッ!!;」
阿修羅がゴを放り投げて駆け出した
「まつんだやなッ!!」
ゼンゴがハモって声を上げると阿修羅を追いかけ駆け出した
「ワシらも行くぞ!!」
迦楼羅が立ち上がりゼンゴの後に続く
「わかりました」
乾闥婆も迦楼羅に続いて部屋を出て行った
「ちょ…!; 俺も連れてけ--------------ッ!!;」
ヒマ子と緊那羅に引っ張られながら京助が皆が出て行った戸口に手を伸ばす
「うわぁッ!!;」

バシャ---------------------------------------…

悠助の声と水音が玄関先から聞こえた
「悠助!!」
そして慧喜の声
「…なんだ?;」
声を音だけを聞きながら京助が開けっ放しの戸口を見た
「…だ…いじょうぶか?; ワンコも竜のボンも…」
阿修羅に飛びつこうとしたゼンゴを阿修羅がひらりとかわしたところ丁度玄関を開けて入ってこようとした悠助に体当たりする形になったらしく…
「大丈夫ですか悠助;」
後から来た乾闥婆が慧喜に抱き起こされる悠助に声をかけた
「何なんだよもうッ!!」
慧喜が振り返って阿修羅に怒鳴る
「危ないじゃないかッ!! 悠助に怪我させたらただじゃ済まさないからなッ!!」
本気で怒りながら慧喜が阿修羅に言った
「いや~…ハッハッハ;」
阿修羅が苦笑いをする

「…ふぃっく」
ポタタ…っと水滴の落ちる音と微かなしゃっくりと思われる音
グ~ログ~ロ…と音を立てて地面に転がるのは【國稀】とかかれた地元で作られている地酒の一升瓶
「どうしよう; ハルミママ怒るかなぁ…」
転がっていた空の一升瓶を悠助が拾って眉を下げた
「大丈夫だ栄野弟…コイツに謝らせるんでな」
泣きそうな顔をした悠助に迦楼羅が言う
「オライかい;」
迦楼羅に親指で【コイツ】と指名された阿修羅が自分を指差して言った

パチ…ッ

何かが小さくはじけるような音がした
「…今…何か聞こえませんでしたか?」
乾闥婆が言うと一同が耳を澄ます
「放せっちゅ---------------ん!!;」
聞こえたのは京助の声
「別に…」

パチッパチパチ…ッ

【別に何も聞こえない】と言おうとした迦楼羅が再び耳を済ませる
「…何か…はじけてる…様な…」
慧喜が顔を上げて辺りを見渡した
「…ひ…っく」

パチ…ッ

「…っ;」
迦楼羅の体が何かにぴくっと反応した
「…迦楼羅…?」
乾闥婆が迦楼羅の異変に気付き迦楼羅を見る
「な…んだ…?;」
迦楼羅が膝をついた
「かるらん…?;」
阿修羅も迦楼羅の異変に気付き迦楼羅に近づく
「かるらん!!」
悠助が一升瓶を抱えて迦楼羅に駆け寄った
「ひぃっく…」