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島原あゆむ
島原あゆむ
novelistID. 27645
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【第九回・弐】パッパヤッパー

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「ぉうえええええ~…;」
「ぅおえええええ~…;」
「ハイハイハイハイ;」
阿修羅に背中をさすられているのはゼンとゴの姿になったコマとイヌ
「ぎもぢわるいんだやな~;」
涙目で洗面器を抱えたゼンが言った
「甘酒でも酔っ払うのにまともに酒被ったからナァ…; そら酔っ払い悪酔いするんきに」
阿修羅が言う
「アレはヘンタイが避けたからわるいんだやな~…っぷ;」
ゼンに同じく涙目で言ったゴが吐き気を催して洗面器に顔を突っ込んだ
「見事なゲロ吐き二重奏」
阿修羅がハッハと笑って言った
「そもそもヘンタイから主の匂いがしたんだやな…そっから始まったんだやな~…」
ゴが阿修羅を見て言う
「…懐かしかったんだやな…」
クイッと口を手の甲で拭いながらゴが呟いた
「ゼンも嗅ぎたかったんだやな」
ゼンが尻尾を下げて言う
「ワンコ等の竜のボンを守りたいっつー気持ちがありゃ…また会えると思うぞ」
阿修羅が言うとゼンゴが揃って阿修羅を見る
「主に?」
そしてハモって言った
「そ…竜に」
阿修羅が笑う
「でも主は…」
ゴがしゅんとなりながら小さくこぼすと阿修羅がゴの頭に手を置いた
「オライの言葉信じてみって」
二人を両手で抱き寄せた阿修羅が笑いながら言った

「休んでてくれっちゃッ!!;」
「嫌です」
台所からギャーギャー聞こえる乾闥婆に言い合いの相手はいつもの迦楼羅ではなく緊那羅「怪我してるんだっちゃよ!?;」
「それがなんですか」
緊那羅が言うと乾闥婆がさらっと返す
「怪我人は休んでるものだっちゃよッ!!;」
「僕は怪我人になった覚えはありません。そこの箸取ってください」
「あんな怪我してれば立派な怪我人だっちゃッ!!;」
声を上げる緊那羅に乾闥婆が言うと箸を渡しつつ緊那羅が更に声を上げた
「料理に唾が入りますよ緊那羅」
乾闥婆が言うと緊那羅がハッとして口を押さえた
「…さすが;」
その様子を台所の暖簾の向こうから見ていた京助が呟いた
「口で乾闥婆には勝てん;」
京助の隣で迦楼羅がボソッと言った
「だろうナァ…;」
京助が口の端を上げて言う
「まったく…可愛げのない…」
迦楼羅が目を細めて言うとスコーンという音と共に箸は迦楼羅の額に突き立った
「可愛げがなくてすいません」
にっこりと笑いながら乾闥婆が一本になった箸を手に言う
「…いえ;」
何故か京助が手を横に振って言った
「痛いではないかたわけッ!!;」
箸一本を握り締め額に赤くワンポイントチャクラを作った迦楼羅が怒鳴った
「竜田揚げできなくてもいいんですか?」
乾闥婆がにっこり笑って言うと迦楼羅が止まった
「…迦楼羅…;」
緊那羅が炊飯ジャーのコンセントを持ったまま迦楼羅を見て呟く
「…コレでも食べておとなしくしててください」
止まったままだった迦楼羅の口に乾闥婆がミニトマトを一つ押し付けた
「…うむ」
少し間を置いてミニトマトを口に含んだ迦楼羅が頷いた
「餌付けされてんじゃん;」
京助が言う
「貴方もですよ京助。手伝う気がないなら邪魔なだけです」
乾闥婆が京助に言った
「ヘイヘイ;」

スコーン

「返事はハイと一回、ですよ」
乾闥婆が手に持っていたもう一本の箸が京助にヒットした