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島原あゆむ
島原あゆむ
novelistID. 27645
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【第九回・弐】パッパヤッパー

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「でも教えられんのよな」
緊那羅の頭に手を置いた阿修羅が言う
「ソレが竜との約束なんよ」
クシャっと緊那羅の頭を撫でた後 阿修羅が手を離した
「でも…これ…よく迦楼羅とかに見つからなかったっちゃね」
緊那羅が飾りを見て言った
「特別結界…竜しか出来ない上級ワザかかってんよソレ…だから焦ったんよな~; ワンコ達に感じ取られたときは;」
ソレと阿修羅が玉を指差した
「…任せるぞ緊那羅」
阿修羅がいつもはなかなか見せないんじゃないかという真面目な顔を緊那羅に向けた
「お前が竜のボン等を【時】から守るんよ…竜の代わりに」
緊那羅が強く頷いた

「…何してんだ鳥類;」
救急箱片手に部屋に入ってきた京助が座布団を頭に被って背中を向けている迦楼羅に声をかけた
「…気のせいだ」
迦楼羅が言う
「何がだよ; 何グレてんだお前;」
救急箱を床に置きならが京助が利く
「放っておきなよ義兄様! 迦楼羅が悪いんだ」
慧喜が怒った口調で言う
「違うの! 違うの京助!! 僕がね…っ」
慧喜に抱きしめられていた悠助が口をはさんだ
「…何あったんだかしんねぇけどさぁ…;」
溜息をついた京助が乾闥婆を見た
「…なんですか?」
乾闥婆が言う
「背中見せてみろ」
「嫌です」
京助が言うと乾闥婆が笑顔で即答した
「背中じゃいくらお前でも自分じゃ無理だろが;」
京助が救急箱の蓋を開けて消毒といえばマキロンを取り出した
「大丈夫だといっているんです」
乾闥婆が羽織っているパーカーの前を握った
「誰も脱げって言ってるわけじゃねぇだろが; 傷を見せてみろってんだよ…消毒だけ」
京助が言う
「…けんちゃん…ちゃんと消毒しないとバイキンはいっちゃうよ?」
悠助が心配そうな顔で乾闥婆を見た
「…わかりました…」
乾闥婆がパーカーを脱いで背中を京助に向けた

「…どこがかすり傷だたわけッ!!;」
傷を見た迦楼羅が座布団を掴んで立ち上がり声を上げた
「痛そう…」
悠助が泣きそうな顔で傷を見る
「少し捲くっていいか? 服」
京助が聞くと乾闥婆が小さく頷いた
「あ~…コレ…一回風呂はいったほういいかもしんねぇ…血が固まって…;」
傷の周りにこびりついている血の塊をそっと触った京助が言う
「ソレかお湯でふき取るか…どっちにしろ沸かさねぇとな」
京助が立ち上がった
「ワシがやる」
立ち上がった京助に迦楼羅が言った
「ワシがやるって…何をだよ」
京助が戸に手をかけたままで聞く
「手当てだ」
迦楼羅が言った
「できるの?」
慧喜が疑うような目で迦楼羅を見た
「…ワシがやるといったらやっるのだッ!!」
「むやみに大きな声を出さないでくださいッ」
「だっ!!;」
怒鳴るように言い返した迦楼羅の後ろ髪を乾闥婆が引っ張った
「…ありがとうございます」
髪は引っ張ったままで乾闥婆が言う