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島原あゆむ
島原あゆむ
novelistID. 27645
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【第九回・弐】パッパヤッパー

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「悪酔いですね」
元のサイズに戻ってはいるものの青い顔をしている二匹を見て乾闥婆が言った
「酒が入っているのにあんなに暴れる走るをすれば酔いがまわりますよ」
京助のパーカーを羽織ったままの乾闥婆がコマの頭を撫でた
「気持ち悪いんだやな~…;」
イヌが言う
「吐けば楽になるっちゃ」
「経験者は語る」
緊那羅が言うと京助がすかさず突っ込んだ
「お水持ってきたよ~」
悠助と慧喜がボウルに水をくんで部屋に入ってきた
「コマもイヌも大丈夫?」
コマとイヌの傍にボウルを置いた悠助が心配そうに聞く
「しばらく休めば酒が抜けます大丈夫ですよ」
乾闥婆がにっこり笑って言う
「よかったぁ~…」
悠助の顔がほころんだ
「…かるらんなんで怒ってるの?」
顔を上げた悠助が部屋の隅っこでむすっとした顔をしている迦楼羅に聞く
「怒ってなどおらん!!」
迦楼羅が必要以上の声で返すと悠助がビクッとした後眉を下げた
「あ…;」
悠助の表情の変化に気付いた迦楼羅がおたおたと慌てだした
「お…怒ってはいな…;」
慧喜に抱きしめられた悠助を見た後の乾闥婆と慧喜の視線が迦楼羅に向けられた

キュッと音をさせて緊那羅が洗面所の蛇口を閉めた
「ふぅ…;」
顔を上げると鏡に映った自分の顔を黙って見た後、後ろに映る阿修羅に気付いて緊那羅が振り返る
「緊那羅手ぇだし?」
口をぬぐう緊那羅に阿修羅が近寄って言う
「手…だっちゃ?」
拭って濡れている手を手拭タオルで拭くと緊那羅が手を出した
「なくすなよ?」
そう言った阿修羅が自分の首に巻いていた布の先についていた飾りを外して緊那羅に手渡した
「これ…」
手渡された飾りを緊那羅がまじまじと見る
「お前が時期見て竜のボンに渡したってくりゃれ」
阿修羅が緊那羅の手の中の飾りの玉の部分を突付くと玉が割れて中には
「金色の…かけら…?」
中にあった玉のかけらのような小さな物体を見て緊那羅が言った
「宝珠のかけら」
阿修羅が言うと緊那羅が顔を上げた
「オライから渡すよりお前からのほうがいいんじゃないかって」
阿修羅が再び玉をしめた
「竜の忘れモン…なんよなコレ…」
「阿修羅…もしかして全部知って…るんだっちゃ…?」
飾りごと玉を握らされた緊那羅が阿修羅に聞く
「ああ…知ってんよ…知ってたんきに…竜のボン等がまだ目覚めない理由も竜のことを何も覚えていないであやふやな理由も…オライは全部見てきたからな」
阿修羅が苦笑いで答えた