小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」
島原あゆむ
島原あゆむ
novelistID. 27645
新規ユーザー登録
E-MAIL
PASSWORD
次回から自動でログイン

 

作品詳細に戻る

 

【第九回・弐】パッパヤッパー

INDEX|12ページ/20ページ|

次のページ前のページ
 

「…阿修羅め…;」
フサフサの毛の上で迦楼羅が口の端を引くつかせて呟いた
「痛かったんだやな;」
コマが言った
「…貴方という人は…ッ」
コマの背中から飛び降りた迦楼羅を乾闥婆がキッと睨んだ
「どうして…!!」
「たわけッ!!!!」
乾闥婆の声より数倍もの大きさで迦楼羅が怒鳴った
「ワシの隣を歩きたいならばワシもお前の隣を歩かせんかッ!!」
「痛ッ!!;」
迦楼羅が乾闥婆のピョン毛を引っ張った
「何するんですかッ!!;」
「だッ!!;」
負けじと乾闥婆も迦楼羅の前髪を引っ張る
「隣というのは一緒に歩いているからこそだろうがッ!! 一人で歩いては…」
「迦楼羅ッ!!;」
迦楼羅が言っていた言葉の途中 乾闥婆が叫んだ
「下がれッ!!」
迦楼羅に振り下ろされようとした爪の主であるコマに迦楼羅が声を張り上げて言うとコマがビクッとした後爪を止めた

「ワシに勝てると思うか」
迦楼羅がコマとイヌを横目で見る
「勝てると思うならば来るがいい」
「何言ってるんですかッ!!」
「だッ!!;」
迦楼羅が言うと乾闥婆がまた迦楼羅の髪を引っ張った
「貴方は…貴方は自分の…ッ!!」
迦楼羅の髪を引っ張る乾闥婆の手がかすかに震え始めた
「ッ…自分の心配をしていてくださいッ!!」
「いだだだだだッ!!;」
乾闥婆がコレでもかっという力で迦楼羅の髪を引っ張った
「抜けたらどうする気だたわけッ!!;」
よほど痛かったのか迦楼羅が涙目で乾闥婆に怒鳴った
「また生えてくるのを待てばいいだけのことです…」
乾闥婆が迦楼羅の髪から手を離した
「…抜けても今の髪を同じ長さになるくらい…それ以上に僕は貴方に…」

ぐきゅるるるるるるるる…

乾闥婆の声が段々と小さくなっていくのと反比例して大きく響いた迦楼羅の腹の虫の声
「でかっ…;」
そして誰がが言うのと同時に迦楼羅の体がふらついた
「迦楼羅!!;」
乾闥婆が迦楼羅の体を支えて声をかける
「大丈夫だ; …少々腹が…」

きゅぅううううう…

切ない腹の虫の声が迦楼羅の声より数倍大きく鳴いた
「だから下がっていてくださいと言ったんですッ」
乾闥婆が言う
「だから心配だったんだと言って…!!;」

ぐぅぅううううう…

迦楼羅が何か言う度に一緒になって腹の虫も鳴く
「相変わらず体に似合わず豪快な音なんだやな」
イヌが言った