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淺香 悠衣
淺香 悠衣
novelistID. 32080
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狂って踊って【第1章完】

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「もしもし?」
『あ。悠宇ぅ?僕だよー。あのさ、修弥の様子は?」
普通の声音で話す晴夜。けど、雰囲気はとてつもなく怖い。
「えっと、さっき思いっきり泣いて、眠ったよ」
僕は、事実を話す。こんな事に嘘をついたってしょうがない。
『えっ・・・泣いていたの?』
「うん」、と僕は言う。もしかしたら、いつもの晴夜に戻ったんじゃないかと思う。
『ハハッ・・・ハハハハハハっ!!!見たかったなぁ、修弥の泣く所♪』

・・・寒気がした。

狂っているんだと、覚悟はしていたけど・・・
まさか、ここまで狂っているのかと思うと、呆れるより

―恐怖


『ねぇ悠宇、聞いていい?』
「何?どうしたの」
怖いってことを相手に知れないように、冷静に。いつものように。

『修弥・・・本当に寝ている?』
「・・・っ!!??」
確かに、僕の横に修弥が寝息を立てて眠っている。
起きてなんかない。
『起こしてみてくれる?』
「・・・うん、いいよ。けど、もし起きなかったらゴメンね?」
僕は眠っている修弥を起こした。ゴメンね。
「修弥、修弥・・・!起きて?修弥!」
「・・・ん・・・?ゆ、う?」
『本当に寝てたんだぁ。悪いことしちゃったネ?ゴメンね、修弥♪』
「っあっ・・・!!んんっ!!」
僕は修弥の口を塞いだ。多分声を出せば逆に晴夜が楽しんでしまう。

「それで・・・?こんな事をするってことは、今まで通りにはならないってことでしょ?」
『うん、そうだね!・・・今日はとっても楽しかったよ。それじゃ、ライバル同士頑張ろうね!バイバーイ☆』
・・・切れた。流石に、僕も怖かった。
けど、それより怖かったのは
「・・・修弥」
「っ・・・うっ・・・ゆ、ぅ・・・」
僕は修弥を優しく抱きしめる。強く何か抱きしめたらきっと壊れてしまいそうだったから。
「大丈夫。修弥には僕がいるから・・・心配しないで?」
「・・・う、ん・・・悠宇は、裏切ったりなんかしないもんね・・・」
修弥はそう言うと、また夢の中へと行ってしまった。
「裏切ったりなんかしない」・・・か。
裏切ったりはしないとは限らない。
理性が保っている間だけだ。裏切らないのは。
多分、理性が崩壊したらきっと・・・晴夜みたいになってしまう。
そうはなりたくない・・・!けど、きっと・・・

修 弥 を 壊 し て し ま う か も し れ な い 。

『悠宇は、裏切ったりなんかしないもんね』

甘い甘い修弥に教えてあげるね。

“裏切らない”なんてある訳ないでしょ?