狂って踊って【第1章完】
俺達は本屋の近く(?)のハンバーガーショップへと行った。
「えーっと。チーズバーガーとポテト、オレンジジュースでお願いします」
「僕はね。ハンバーガーとポテト、コーラで!」
「悠宇って、普通のハンバーガーなんだ。意外だね」
「何かさー僕ハンバーガー食べるの苦手でさ。好きなんだけどこう、食べにくいって感じがする」
それぞれ自分の食べたいハンバーガーを選び待っていた。
「・・・金的には全て余裕」
「それって・・・まさかの!?」
「セットなしでそこにあるハンバーガー、全てください。あ、飲み物はコーラの大きいサイズで」
「やっぱり・・・」
俺は今、猛烈に腹が減っている。
これくらい食べなきゃ死ぬ。・・・店員がオロオロし始めた。
「あ、あの・・・お、お客様。お持ち帰りでしょうか」
「ここで食べます」
俺はあえて即答で答える。更に店員がアタフタしてる。
「えっ!?あ・・・いえ」
俺は普通に椅子に座ってハンバーガーを待つ。
「・・・修弥って、時々恐ろしい事するよね。そう思わない?晴夜?・・・晴夜?」
「・・・えっ!?あ、そうだね。ホント、怖い怖い」
腹減ってんだから、仕方ないじゃん。腹減って死にそう・・・
「あ、あのえっと。まだ全て出来ないので、出来たらお呼びになりますが宜しいでしょうか?」
「お願いします」
そう言うと、店員がハンバーガー2つを持ってきてくれた。
・・・てか、そんなに種類はない方だとは思ったんだが・・・まぁ、いいか。
「頂きます」
「いただきまーす」
俺達はそれぞれのハンバーガーを食べ始めた。
―もふもふ。・・・ふっもふー?
そう、俺がハンバーガーを食べてると、必ず言われる言葉。
よくは分からない。
ただ、ハンバーガーを食べるのが“もふもふ”
シェイクをえっと・・・確か“キュイキュイ”だっけ?そんな事言われる。
なんの意味があるのかは分からないけど。
「・・・・・・」
「・・・・・・」
「・・・ふー。よく食べた!ん?な、何そんな見て」
ハンバーガーを食べ始めて約40分。俺も頼んだもの全てを食べ終わって飲み物を飲んでいたが、2人にすっごい視線で見られている。
「何ですか怖いですよ!!」
「うん?それはこっちのセリフかな?」
はっ?いや、意味がよく分からないんですけど。悠宇さん?
「よっくもまーこの短時間であの、あの量を・・・凄いよね」
いや普通でしょこの量は。まだアップルパイとかナゲット沢山食べれるくらい。
だって、やっと“食べれる”んだもん。生きているうちに死ぬ程食べておきたい。まぁ時々だけど、皆より食べる量が違うのは分かるけどね。
「んーっ!!・・・と、んじゃもう行きましょうか?」
晴夜が腕を伸ばし、俺等は席から立ち上げると店を出た。
作品名:狂って踊って【第1章完】 作家名:淺香 悠衣