狂って踊って【第1章完】
「さぁてと本屋に着いたことだし、適当に本を買うなり読むなりして自由にしまショウタァイム!」
「・・・はぁ、そうだな。俺腹減ったから早くしてくれよな」
「了解。僕は探すのに時間が掛かるだけだから早くするね」
人混みが五月蝿かったけど、何とか無事本屋に付いた俺達は、自由行動にした。当然、俺は本屋でなんかするってのもないから適当に本を読もうかな。なるべく、2人が俺がすぐ見える所と言ったら・・・小説コーナーか。
「うーん・・・あんま俺が読みたい本ないんだよなぁ」
普段から本を読まない俺にとったら本屋は苦手。・・・仕方ない、アッチにある椅子にでも座ってっか。
「・・・あったあった。よっと」
俺がいる場所は、晴夜がいる漫画コーナーに近いから多分分かると思う。
けど、座ったのはいいものの。
「何すっかなぁ・・・」
・・・腹減った。グーって鳴りそう。昼飯何食ったっけなぁー。
「サンドウィッチ、ジャムパン、オニギリ、ヨーグルトだっけ?駄目だ。もちっと時間がありゃーな、あれよりもっと食えたのに」
本屋に来て食いもんの話しは駄目だ・・・もっと、もっと別なことを考えよう・・・
「―・・・や、修弥、修弥!!」
「・・・う、ん?」
「修弥!」
「プギャっ!?」
・・・な、何が起こったんだ!?えっ・・・?
「あ、起きた。全く、寝ちゃダメだよ?」
「え・・・?あ、はい?スンマセン」
俺、寝てたのか・・・いや、だからと言って
「急に起こすのもないだろ!心臓が止まったからな!?」
「急にって・・・何回も起こしたんだよ?」
「なぬっ!?・・・え?あーごめんて」
そうだ。俺、1度寝るとなかなか起きないんだった。
・・・って俺、本屋で寝てたんじゃん。やばっ・・・
「・・・ま、待たせたんだからネタっても仕方ないだろう!そ、そう!腹減った!どっか食いに行くぞ!」
「そうだね」
俺達は周りの人達の視線を感じたが気にせず、本屋を出た。
「何食べたい?晴夜は何かあるか?」
「そうだね・・・うーん」
晴夜は軽く腕を組むと俺に向かって満面の笑で
「修弥が食べたいなーなーんて」
「・・・は?」
全く・・・アイツは時々恐ろしいことを言うからな。笑顔で。一緒にいる俺でも予想できない。まぁ、今のは嘘だろう。
「はいはい。んじゃ、ハンバーガーでいいか?」
「え?あ、う、うん。そうだね。最近僕ハンバーガー食べてないから食べたくなってきた」
「んじゃ、決まり。おい晴夜、置いてくぞ」
「えちょっ!?どゆこと!?完璧スルーしたよね?」
俺と悠宇はサカサカと歩き出す。後ろからギャーギャー騒ぎながら走ってくる奴もいるけど。
作品名:狂って踊って【第1章完】 作家名:淺香 悠衣