茶房 クロッカス その3
それから俺は順にみんなのプレゼントを見て歩いた。
恋歌さんには、黒地に金ラメの入ったショールがメモリーさんから。
メモリーさんには、可愛いサンタがギターを弾いてる人形が良くんから。
良くんには、透明プラスチックでできていて、その外側にはサンタの絵が彫り込んであるオシャレな栞が、恋歌さんから。
そしてレッカーさんには、暖かそうな毛糸の手編みの帽子が京子ちゃんから。
なおごんさんには、素敵な万年筆が花織さんのダーリンから。
花織さんのダーリンには、オシャレなネクタイがきりんさんから。
それから花織さんには、可愛いサンタのブローチがなおごんさんから。
淳ちゃんには、革製のウエストポーチが光さんから。
光さんには、やはり手編みのマフラーが花織さんから。
小橋さんには、高級ワイン〔ヌーヴォー〕がフィットさんから。
フィットさんには、素敵なハンドポーチがおりゅうさんから。
おりゅうさんには、ブランド物のライターが小橋さんから。
そして、みのさんには、ロココ調の写真立てが姫ちゃんから。
姫ちゃんには、ウール一〇〇%の優しいグリーンのショールが夏季さんから。
重さんには、ブランド物の黒のベルトが淳ちゃんから。
夏季さんには、小さなピンクのスタンドライトが礼子さんから。
礼子さんには、トナカイのデザインのペンダントがあかはなさんから。
コロさんには、皮の手袋が草愛さんから。
草愛さんには、シックな翡翠をデザインしたネックレスがコロさんから。
みんなそれぞれのプレゼントに嬉しくて、上気した顔で興奮気味に周りのみんなと話をしていた。もちろんそれぞれにお礼を言うのも忘れなかった。
楽しい時間というものは過ぎるのも早い。あっという間に予定の時間も終わり、料理や飲み物もほとんどなくなった。淋しいけれど、終了の合図をしなくてはいけない。
俺は意を決してこう言った。
「皆さん、本日は本当にありがとう! 茶房 クロッカスでの初めてのクリスマスパーティに参加して下さって。どうでしたか? 皆さん楽しんで頂けたでしょうか?」
「わあぁぁぁーーー!」と歓声が上がった。
「皆さんも楽しんで頂けたようで、俺も嬉しいです。残念ですが、もうそろそろ時間となりました。これにてお開きとさせて頂きます。どうか、これからも茶房 クロッカスを宜しくお願い致しまーす!」
パチパチパチパチと、誰からともなく拍手が湧き起った。
「ありがとございました!」
俺が頭を下げると、
「こちらこそ、楽しかったよー! ありがとう!」
と、あちこちから声が掛かった。
俺は嬉しくて、また涙が溢れてきた。
作品名:茶房 クロッカス その3 作家名:ゆうか♪