小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」

茶房 クロッカス その3

INDEX|98ページ/100ページ|

次のページ前のページ
 

「ヤッター! ブランデーだっ! それもVSOP」
 見ると、きりんさんだった。
 俺は早速きりんさんの傍へ行って声を掛けた。
「きりんさん、VSOPゲットですか? おめでとう!」
「うーー、嬉しいですぅ。帰ったらごりらさんと一緒に飲もうっと!」
「えっ、ごりらさん?」
「キャハハ、ごめんなさい。びっくりさせて……。ごりらさんと言うのは主人の呼び名なんですよ」
 そう言うときりんさんは、プププッと笑った。
「あっ、なんだ、そうですか。びっくりしましたよ。アハハハ……」
「そのVSOPは、確か、レッカーさんからのプレゼントじゃなかったかな?」
「あっ、本当だ。レッカーって書いてあるわ。じゃあ早速お礼を言わなくっちゃ!」
 そう言いながら、きりんさんは大きな声で「レッカーさーん!」と呼んだ。
《ははは、楽しい人だ。きりんさんて……》

 今度は京子ちゃんの所に行ってみた。
「京子ちゃん、何が当たった?」
「悟郎さん、それが………、これなんです」
「うん? それは手紙か何か?」
 見ると、グリーンの可愛いメッセージ用紙に何か書いてある。
「えぇ、これがこの可愛い箱の中に入ってたんです」
「へぇ〜〜」
 書いてあるのを読んでみた。
『メリークリスマス☆ 素敵なあなたへのプレゼントは、マスターが大好きな曲「木綿のハンカチーフ」の入った、太田裕美のベストアルバムです。せっかくだから、直接手渡ししますね。 By みの』
「おぉー、これはみのさんからのだね。それにしてもこれが当たるとは……」
「えぇ、そうなんです。京平との想い出の曲……」
 そう言った京子ちゃんの目には、早くも光るものが……。
「大丈夫かい? 京子ちゃん」
「はい、ちょっと思い出しちゃった。でも大丈夫。いつかきっと『こんなこともあったんだわ』って思える日が来ると思うから。それまで大切にしまっとくわ」
「うん、そうだね。人生には色んなことがあるから……。京子ちゃんの人生はまだ始まったばかりだからね。大丈夫さっ!」
「じゃあ、そのアルバムをみのさんにもらっておいで」
「はい、そうします」
 そう言って京子ちゃんは、みのさんの所へ行った。