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茶房 クロッカス その3

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 みんなお酒もかなり入ったようだし、ぼちぼちプレゼント交換を始めるかな。
 そう思った俺はカウンターの内側に一旦戻った。そして、用意しておいたサイコロ型の抽選箱に、プレゼントに付けた番号札と対になっている番号札を取り出し口から入れると、それを持って店の中央まで行った。
 そしてその箱を、みんなに見えるように頭の上にかざし、大声で言った。
「皆さーん! お待たせしましたー! これから、皆さんお待ちかねのプレゼント交換の抽選会を始めますよー!」
 みんなが一斉に俺の方を見た。
「俺が持っているこの箱の中に、プレゼントと同じ番号のカードが入っていますから、一枚ずつ引いて下さい。間違っても多く引いちゃダメですよ。プレゼントに恵まれない人が出ちゃいますからねっ。頼みますよー! 分かりましたねー!?」
 そう言い終わるや否や「オオーーッ!」と、みんなの大歓声が轟いた。
 その後みんなは俺の持っていた箱から順にカードを引いていき、ついには箱の中身が空っぽになった。

「さぁ、カードが行き渡ったと思いますので、いよいよプレゼントとの交換に入りますよー!」
 みんなが目をキラキラさせて、俺の次の言葉を待っている。
 俺は沙耶ちゃんに目配せして、店の隅のテーブルの上に山のように積んだプレゼントの所へ一緒に移動した。

「さぁそれでは、一番から順に番号を読み上げますので、その番号のカードを持ってる人は順にプレゼントを受け取りに来て下さい。但し、受け取ってもすぐに開けないで、みんなに行き渡るまで待ってて下さいよー。開けるのはみんな一斉に……で、いきますからね!」
「よっしゃー!」と、どこからか声が上がった。
「ハハハッ!」
 数人の顔に笑顔が連鎖して行った。
「じゃあ早速、一番の人!」
「はぁーい!」
 何と、一番乗りはあかはなさんだった。
 あかはなさんは子供のように手を挙げると、嬉しそうに満面に笑みを浮かべてプレゼントを受け取りに来た。
 あかはなさんへのプレゼントは、綺麗な包装紙にくるまれた細長い箱だった。
 中身は何だろう?
 思うことは皆一緒で、全員の視線がその箱に釘づけになった。

 次の二番目は京子ちゃんだった。
 彼女が射止めたプレゼントは、ちっちゃな可愛い箱だった。もちろん、クリスマスデザインの包装紙に包まれていた。
 そして三番目はみっこさん。
 順々にみんながプレゼントをゲットしていった。
 テーブルの上が何にもなくなって、ようやくプレゼントがみんなの手に行き渡った。

「さぁ、それではいよいよプレゼントを開けてもらいます。プレゼントには、それぞれの提供者の名前も札の裏に書いてありますので、内容を確認したら、その人に一番にお礼を言って下さいね」
「じゃあ、カウントダウンといきますかあー!」
 みんなが声をひとつに合わせた。
「十、九、八、七、六……一! さぁ、開けて下さい!」
 一斉にあちこちで包装紙を破る音がビリビリとしてきた。
 丁寧に、貼ったところを剥がしている人もいる。
 そして数分後には……
「わぁ〜!」
「おぉーーぅ!」
「可愛いぃ〜!」
「オッ! これは……」
 様々な喜びや驚きの声が響き渡った。