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茶房 クロッカス その3

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 その女性は黒いミニのドレスに身を包み、ドレスの下には網目模様のレギンスを履いて、足を細く色っぽく見せて魅力たっぷりだ。一体誰だろう?
 店内のみんなの視線が集中する中、今度は反対側のドアから男性が降りて来て、女性をエスコートするように腕を組んで歩き出した。
 男性は、少し煌めくシルバーグレーのスーツを身に付けていて、その胸元には赤いバラの花など付けて、かなりオシャレな男性のようだ。
 カラ〜ン コロ〜ン
 二人が入って来た。
「やぁ、皆さんお揃いですかな? この度はお誘いを頂きまして、ありがとうございました」
「おお、誰かと思いましたよ。コロさん!」
「マスター、こんにちは。私も楽しみにしてましたんよ」
「草愛さんも、ようこそ来られました。嬉しいですよ! ――それにしても、二人共ずいぶんめかし込んで来ましたね。誰かと思っちゃいましたよ!」
「だってコロさんが、目一杯オシャレして行こうやぁと言うもんやから。うふふ、ちょっと派手過ぎたかしらん?」
「いやいや、とっても素敵ですよ!」

 俺はまた、二人に名札とプレゼントに付ける番号札を渡して、一通りの説明をした。
 その後は続々とパーティー客が来店して、ゆっくり話などしていられない状況になった。
 受付作業は俺と沙耶ちゃんと礼子さんの三人でやったが、来てくれた人たちに、取り敢えず名札と番号札の説明をするのがやっとだった。
 そして予定していたほとんどの人が集まったと思われる頃、一通り店内のお客さんの顔を見渡してみた。
 うーんと、光さんは恋歌さんやきりんさんと一緒だな。
 みっこさんと姫ちゃんも来てくれている。
 おお、花織さんはやっぱりダーリンと一緒か……。相変わらず仲がいいや。
 あっ、あのお爺さんはもしや、電話で予約してくれたあかはなさんかな? だったら後で、となかいの帽子を被ってもらおう!
 えっとーあの人は……、やはり電話予約をくれたレッカーさんと言う人だろうか? すぐそばに寄り添うように女性が一緒だ。
 確か彼女と一緒に来るとか言ってたなぁ、えっと名前が……、そうだフィットさんだった! この人がそうなのか。ふぅーん、なかなか物腰の柔らかそうな美人だなぁ。
 うん? あっちの隅にいる女性は、誰だろう?
 おっ! そうか、電話予約をくれたメモリーさんて人かな? 見たところ、なかなかソフトで気さくな感じの人だなぁ。
 一緒に話をしてるのは……、おやっ、小橋さんじゃないか。やっぱり綺麗な人には手が早い。あっ違った。口が早いと言うべきか……。あははは……。
 ほほう、さすが重さん! やるじゃないかっ。しっかり夏季さんと一緒にテーブル席に座って、楽しそうに話してるなんて。
 えっと、小橋さんと一緒に来たはずのおりゅうさんはどこだぁ? 
 あっ、あんな所に……、京子ちゃんと一緒だったのか。
 京子ちゃんも今日は可愛いワンピース姿だ。すぐ横にいるのは、淳ちゃんだ。
 あれっ! そう言えば礼子さんは?
 俺は、ふとカウンターの奥へ目がいった。