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茶房 クロッカス その3

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 カラ〜ン コロ〜ン
「やあ、マスター。早速来ましたよ!」
「おお、これはこれは、みのさんとなおごんさん。よく来てくれました」
「俺たち、ほんまに楽しみにしてたんですよ!」
「ありがとう、じゃあ早速これに名前を書いて、胸でもどこでもいいから、名前が分りやすい所に付けて下さい」
 そう言って名札とボールペンを手渡した。
「へぇー名札を付けるんだぁ」と、驚いたようになおごんさんが言った。
「そうなんですよ。別に本名じゃなくていいですから……。これを付けてると他の人との会話も楽だと思うんです。皆さんともどんどん親しくなって欲しいもんで」
「なるほど、マスターも考えましたね。フフフ」
 みのさんが楽しそうに笑った。
「あっ、それからプレゼント持って来てもらえましたか?」と俺が聞くと、
「ああ、もちろんですよ」
 そう言うと、みのさんがバックから何やら可愛い箱を取り出して渡してくれた。
「あ、俺も持って来たよ」
 なおごんさんも同じくセカンドバックから小袋を差し出した。
「へぇ、何だろう? 二人共ずいぶん可愛い物を持って来たんですね。開けるのが楽しみだなぁ。ははは……」
「じゃあ、このプレゼントに番号札を付けるんで、これに名前を書いて下さい」
 そう言って俺は、今度は番号札を二人に渡した。
「ほう、プレゼントに番号札を付けるんですか?」
「そうなんですよ。後でこれとペアの番号札をみんなそれぞれが引いて、誰かのプレゼントがみんなに当たるってわけです」
「ふぅーん、じゃあ誰のプレゼントが当たるか分からないっていうことかぁ……? そりゃ楽しいかもな!」
「はい。じゃあ書き終わったら適当にゆっくりしていて下さい。みんなが揃ったら、乾杯をして始めようと思いますから」
 二人はテーブルの一つに着いて、ゆっくりと店の飾り付けなどを見ていた。
 と、そこへ外の通りからクラクションの音がブッーブッーブー!と響いた。
「うん?」
 思わずみんなが外へ目を向けると、真っ赤な車が停まっている。
「おっ! あれはイタ車だぞっ!」
 誰かが言った。
 見てるとその車から一人の女性が降りてきた。