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茶房 クロッカス その3

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 次の日の朝。
 俺は早速、沙耶ちゃんが頑張って作ってくれたクリスマスパーティーのポスターを、店先の人目に付きそうな場所に貼っていた。

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『生ライブ&クリスマスパーティ in 茶房クロッカス』
  
   皆さんと共に過ごす楽しいクリスマス
   ぜひ今年は、当店で過ごしませんか?
  
 十二月二十四日 日曜日 AM十一時〜PM四時

飲み放題・食い放題〔但し、料理・ドリンクがなくなるまで〕
     
料金 お一人様 三千円

参加ご希望の方は当店にて、パーティ券をお買い上げ下さい。
通りすがりの貴方も、此方も、お気軽にご参加下さい。
 
     お申込みは「茶房 クロッカス」前田 悟郎まで
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 すると背後からいきなり声がした。
「ほほう……。クリスマスパーティーですか? 楽しそうですなぁ」
《んん? その声は……》
 俺は、ハッとして後ろを振り返った。
「――やはりあなたでしたか! 声を聞いてすぐ分かりましたよ。お久し振りですね。お元気でしたか? 光さん」
「はい、お陰様で元気にしております。もう私のことなどお忘れかと思いましたが……」
 そう言って光さんは、愉しそうにふっふっふっと笑った。
 俺もつられて、アハハと笑うと、
「いやぁ〜あの時は、例のクレイマーおばさんのことを教えてもらったお陰で、俺の親しくしている夫婦が、おかしなことにならないで済みました。本当に感謝していますよ」と言った。
「そうでしたか、そりゃあ良かった。何にしてもお役に立てたのなら、私にとっても幸いなことですわ」
「さぁ、中へ入って下さい。時間はあるんですよね?!」
 そう言って俺はドアを開けると光さんにカウンター席を勧め、俺は向かいの定位置に着いた。
「今日は何にしますか?」
「あぁ、そうですな、今日はマスターのお薦めのコーヒーをお願いしましょうか」
「分かりました。じゃあ俺特製のスペシャルで!」
 それからしばらくは、コーヒーを美味しそうに飲む光さんと、クリスマスパーティのことで話が弾んだ。
 光さんも、仲間に声を掛けて一緒に来ると言う。