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茶房 クロッカス その3

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「それにしても先輩、大学はどうしたんですか? 私、確か先輩のお友達から聞いた思うんですけど……、違いました?」
「ううん、違わないわよ。最初はそのつもりだったの。でもねぇ……、うち母子家庭でしょ? これ以上母に負担掛けるのもどうかなぁーって思ってね」
「ああ、それは聞いたことあります。確か先輩が小学生の時にご両親が離婚されたんですよね」
「そうなの。私が小学校の四年生の時だったわ。それからずっーと母一人子一人できて、母はずいぶん大変だったと思うの。だからこれ以上はねっ。……それで受験する寸前に止めたのよ。知らなかったのね」
「はい、それは知らなかったです」
《そうか、沙耶ちゃんのお父さんがいないのは聞いてたけど、そんな前からなんだ……》
「そんなことより先輩、今、彼氏とかっているんですか?」
「きゃ〜いきなりそういうこと聞くぅ?」
「はいっ」
「もう、相変わらずストレートなんだから……うふふふ」
「実はねぇ……残念でしたっ。今のところいませ〜ん」
「えーっ、本当ですかぁ? だって先輩、高校の時だって、男子生徒にモテモテだったじゃないですか。私、知ってますよぉー」
「そういう京子ちゃんはどうなの? 彼氏いるのぉ?」
「うーん、彼氏っていうか……、付き合ってる人ならいるんですけど……」
「へえぇー、いるんだ。……で、どんな人なの?」
「うーん、どんなって言っても……、会社の先輩で阿部さんていう人なんですけどね……」
「ふんふん、それで?」
「もう先輩ったらあー、ウフフ、敵わないなぁ」
「何言ってるの。先に言い出したのは京子ちゃんの方でしょ! ウフフ」
「確かに、あはは……」
「――じゃあ仕方ない。実は阿部さんてね……」
 京子ちゃんは沙耶ちゃんに、阿部さんとのいきさつを話し始めたようだった。