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茶房 クロッカス その3

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 最近少し夏バテ気味なのか、家に帰っても食事を作るのが面倒で、ついついまともな食事をせずに、適当に買い置きの煎餅などをボリボリと食べて、それで済ませてしまう日々が続いた。
《こんな時こそ女房がいてくれたら……》などと、女性が聞いたら、
『女房は家政婦じゃありませんから! 』と、怒られそうなことを考えていた。

 いつもの午後のゆったりタイム。
「マスター、すぐそこの商店街に、新しくお弁当屋さんがオープンしたの知ってます?」
 何の前触れもなく、いきなり沙耶ちゃんがそう言った。
《ふぅーん? もしかしたらこいつ、俺の心の中を読んでるなー!? なーんてそんなことある訳ないかぁ。フッフッフ》
 俺は心の中で独り言を呟き、実際には、
「えっ? そうなの?」と、言った。
「昨日、母に頼まれて、ここの帰りに寄ってハンバーグ弁当を買ってみたんですよ」
「へぇー、それでどうだった?」
「それが思った以上に美味しくって、母と二人で『今度から買う時はここにしようね』って話したんですよ〜。マスターも一度買ってみたら?」
「そうだなぁ。……じゃあ早速、今晩帰りに行ってみるかな」
「それがいいですよっ、どうせ大したもの食べてないんでしょ!」
「えっ?!  あ、まぁーなー」
《やっぱり、俺のことを見張ってるのか……?》(笑)