進化するパスワード
「さあ、どういう願い事一言パスワードが良いかな、幸せになりたい、健康でありますように、こんなふわっとしたものでなく、もっと具体的でないと願いは叶わない、うーん」
高見沢はパソコンの前で考えている。
そして遂に思いが至ったのだ。
「新しいパスワード、それは一億円を抱きしめたい(1okuenwodakisimetai)、数字も入っているし …
いや、もう少し格調高く、そう英語で言うと、アイワナ ホールド ハンドレッドミリオン ダラース、これをパスワード風にすると、i wanna hold 100m$、これカッコイイじゃん!」
直接的願望を表現し、なんと世俗的なパスワードだろうか?
しかし、「kanaeshuchinikurin」(叶え酒池肉林)より随分と益しだ。
高見沢は早速パソコンで変更操作し、新パスワードを入力した。
『iwannahold100m$』(一億円抱き締めたい)と。
これから毎日このパスワードを繰り返し打ち込む事になる。
なんと期待が持てる事か。
高見沢は、この願い事一言パスワード「iwannahold100m$」が気に入った。
このようなステップを踏み、
高見沢のパスワードは、本日ここに目出度く第七段階へと進み行ったのだった。
しかし、この後の進化ステージには、第八/第九/第十段階がある。
高見沢は今それらの存在を知らない。
そして、いつかまた新たな人生の節目に至った時に、次の第八段階へと進化する事だろう。
その第八段階は、何がテーマになるのだろうか?
それは … 「御奉仕」。