詩まとめ
右手のかたち
あなたの右手がやたらと骨張っているのは
きっとあなたの筆圧が高いせい
一生懸命にペンを握って、いつも何かを書いている
あなたの親指に不自然な胼胝があるのは
きっとあなたがカメラをいつも構えているから
なにかを写し撮ろうと必死になっている
あなたの人差し指が長いのは
きっと誰かに一番触れるため
その指でそっと唇を撫でられたらお終いよ
あなたの中指が外に添っているのは
わたしの淹れたコーヒーを飲むため
カップをそんな変な持ち方するのはあなただけよ
あなたの薬指が輝いているのは
嵌められている指輪のせい
その光が眩過ぎてわたしは眩暈すら覚えるわ
あなたの小指が少し短いのは
わたしと約束をするためね
赤い糸は見えずとも、こうして絡めることは出来るから
あなたの右手が好きよ
あなたの右手に触れたいの
あなた自身に触れたいの
あなたの心を知らないから
投稿日:2010-03-03