君が袖振る
それにしても気に掛かる。
作者・紫野は一体誰なんだろうか?
龍介は綾乃が紫野だと思っていた。
しかし、悲しいことだが、もう綾乃はこの世にいない。
龍介はそれが気に掛かり、パソコンを叩き、ホビー倶楽部のサイトへと入って行った。
すると紫野から伝言が届いていた。
ドラゴンさんへ
「君が袖振る」の小説の中の龍太君。
今回の同窓会での出来事、
これでまた、小説は新しい展開になって行くのでしょうね。
紫野より
龍介はこれを読み、今回の同窓会の出来事を知っているのは瑤子だけ。
また、綾乃はもうこの世にはいない。
ならば、作家・紫野は瑤子しかいない。
あらためて今度はそう確信した。
そうであるならば、龍介はずばり返信するのだった。
紫野さんへ
こんな推察をしてみました。
作家・紫野は瑤子さん・・・・・・ですよね。
瑤子さんは、綾乃さんから託された日記を読みました。
そして、親友の綾乃さんのために、小説・「君が袖振る」を執筆して投稿したのだと推理しています。
その目的は、このネット内の世界で、親友の綾乃さん、その小説の綾子を、いつまでも生かしておいてやりたい。そう思ったからでしょう。
だから瑤子さんが、作家・紫野だと思います。
ドラゴンより
すると直ぐに、紫野から返信メールが返ってきた。
しかし、龍介はそこに書かれてある内容を読んで、ノックアウトされてしまうのだった。