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君が袖振る

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 少し汗臭いが、若々しい男の匂いがする。
 まだ未成熟の乳房の上に、血管の浮き出た男の腕が交叉する。

 そして綾子は、後から更に強く、胸が押し潰されそうなくらいに抱き締められてくるのだ。

 綾子にとって、それは少し荒っぽくって怖かった。しかし綾子は、それを拒むことをしなかった。龍太の為すがままにさせてやることにした。

 確か男と女の抱擁とは、そういうものだと本で一度読んだことがあった。そんなことがふと浮かんだ時に、綾子は若い男の力で、くるっと振り向き返させられた。

 そして龍太がいきなり綾子の唇に・・・・・・キスを。

 しかしどうも龍太は、キスに慣れていないようだ。
 お互いの歯がガチンと当たる。しかし、直ぐに龍太も綾子も、そのキスの座りの良い位置を見つけ出した。

 そして綾子は、それはそれは長いキスを、龍太にされてしまうのだった。

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 パソコンの画面上にあるこんな投稿小説・『君が袖振る』。龍介はここまで一気に読み進んだ。
 そして衝撃を受けている。


作品名:君が袖振る 作家名:鮎風 遊