直撃台風
「ここで止めてください。助かりました」
そこは川崎市内で、国道十五号線に面し、できたばかりのマンションの前だった。乗務員は料金の金額を云った。
「風邪をひかないように、すぐにお風呂に入ってください」
「ありがとうございます。今度、会社のパソコンで読ませて頂きます。事故に気をつけて、頑張ってください」
「ありがとうございます。いい記事を書いてください」
ドアを閉めようとしていたとき、また乗車を申し込まれた。今度は中年女性だった。行き先は蒲田である。雨は既にやみ、風も随分弱くなっていた。渋滞も解消していた。
了