【第九回】ばかVSバカ
「あのなぁばか…」
阿修羅が頭を掻きながら鳥倶婆迦を見た
「前の名前を抜かすなって言ってるだろッ!!;」
無駄に長い袖で見えないがおそらく阿修羅を指差しながら鳥倶婆迦が怒鳴る
「おいちゃんはバカじゃないッ!! 天才なんだ!!」
ずずいと鳥倶婆迦が阿修羅に向かっておそらく指を突きつけた
「…聞き捨てなりませんねぇ」
南が言った
「馬鹿を馬鹿にすんなよなー」
京助が口を尖らせて言う
「…馬鹿だから馬鹿にするんじゃないんだっちゃ?;」
そんな京助に緊那羅が控えめに突っ込んだ
「それにさぁ…お前知らないのか?」
坂田が鳥倶婆迦に近づき鳥倶婆迦の肩を叩いた
「…何をだよ?」
鳥倶婆迦が坂田を振り返る
「馬鹿と天才紙一重って言葉」
坂田が言うと京助と南、中島とその他数人の生徒が頷いた
「…馬鹿と…天才…紙一重?」
鳥倶婆迦が言葉を繰り返す
「まぁ要するに…馬鹿と天才は同じようなもんだってことだ」
坂田が鳥倶婆迦の肩をポンポン叩きながら頷く
「そうなんだっちゃ?」
緊那羅が京助に聞く
「おうよ! 馬鹿は実は偉大なんだぞ? だから俺は胸を張って言う!! 俺は馬鹿だ!!」
京助が自分に親指を向けて宣言した
「ハイハーィ! 俺も馬鹿--------!!」
南が挙手して言う
「馬鹿ばっか---------!!」
中島が笑いながら言った
「本当にね」
本間が溜息をつきながら言う
「だとさ」
しばらく黙っている鳥倶婆迦に阿修羅が声をかけた
「だからオライと勝負しなくても…」
「…お前ら馬鹿なのか?」
阿修羅の言葉を聞くことなく鳥倶婆迦が生徒達の方に体を向けた
「まかせろ!!」
3馬鹿と京助そしてその他数人の生徒が揃って親指を立てる
「…何を任せるってのよ…;」
阿部か呆れ顔で言う
「…馬鹿と天才は紙一重…」
「そうそう」
鳥倶婆迦が呟くと坂田が頷く
「天才は馬鹿…馬鹿は天才…」
鳥倶婆迦がブツブツ言いながら阿修羅と生徒達を交互に見る
「馬鹿…天才…」
そして黒板の方に歩き出しチョークを手に取った鳥倶婆迦が黒板になにやらまた計算式を書き出した
「…誰なんだっちゃあの子…」
緊那羅が言う
「お前知らねぇのか?」
京助が聞くと緊那羅が頷いた
「ってことは…アレか矜羯羅とかの方か…」
「正解」
京助が言うと阿修羅が笑いながら答えた
作品名:【第九回】ばかVSバカ 作家名:島原あゆむ