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島原あゆむ
島原あゆむ
novelistID. 27645
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【第九回】ばかVSバカ

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ヂー…チキチキチキチキ…

そしてカタカタカタという音が教室に響く
「…腹減った…;」
京助がぼそっと呟いた
「お前さっき三秒ルール適応でアップルパイ食っただろ」
浜本が小声で言う
「さっきって何時間前だッ; もう晩飯の時間じゃん;」
京助が小声だけど怒鳴る様に言った
「ってか俺等隣のクラスなんですが;」
南が遠い目をして呟く
「俺に言うな俺に;」
京助がまたも小声で怒鳴る
「あんな太陽にほえろみたいな何じゃこりゃーっての聞いて見に来ないほうがおかしいだろが;」
中島が言う
『ウリュサイ』
ジャキという音がすると小声の討論が静まり返った
「おいちゃんの計算ではもうすぐなんだ」
教卓の上で黒板に背を向けた赤いナイトキャップのような帽子をかぶった人物が言った
そんなにも大きな声ではなかったのだが静まり返った教室には充分響く
「そう…こうして捕獲しておけばきっと来るはず」
ヒョイと教卓から飛び降りたその人物がチョークを持ち黒板にカリカリと何かを書き出す
「ここでこう…するとこういう状況ができて…」
カツカツとチョークを黒板に打ちつけながらわけのわからない数学のような科学のようなそんな式を組み立てていくその人物を教室の隅に固められた二年三組の生徒 (一部二組も含む)が黙ってみている
「思うに…」
坂田が小さく言うと京助を見た
「…これって」
南も京助を見た
「間違いなくお前関係だよな」
そして中島がトドメと言わんばかりの一言を京助に言う

ヂー…チキチキチキ…

また機械音が聞こえ3馬鹿が黙った
『ウリュサイ』
ジャキンという音ともに生徒たちに向けられたのはどう見てもバズーカ砲
ソレを持つのは20センチくらいの機械仕掛けの人形
「…今度こそおいちゃんの方が天才だってこと…証明するんだ」
計算式を見上げて赤いナイトキャップのような帽子を被った人物が呟いた
「おかしい」
本間が呟いた
「何が」
阿部が聞く
「…先生が来ない」
本間が言うとハタと生徒達が本間を見た
「そういや…そうだよな…ウニが来ない」
浜本が担任であるウニの姿を見ていないことを思い出して呟く
「それに静か過ぎない?」
更に本間が言うと生徒達が耳を澄ませた
「…そう…だね…」
物音一つせず静まり返っている校内に南が首をかしげる
「当たり前。邪魔が入っちゃ困るから計算済み」
聞こえたのか帽子の人物が答えた
「何したんだ?;」
京助が聞く
「丸一日眠ってもらっている」
帽子の人物が言った
「…アンタ誰? 何がしたいわけ?」
阿部が帽子の人物に向かって喧嘩腰の口調で言う
「…うっさいなぁ…」
帽子の人物が嫌そうに言うとチキチキという音と共にバズーカ砲をもった人形が阿部の方を向いた
「ソコの馬鹿っぽいのが栄野京助だろ?」
帽子の人物が京助の名前を口にすると生徒が一斉に京助を見た
「やっぱか…」
坂田が京助の肩を叩いて言う
「何? 京助の知り合い?」
阿部が京助に聞く
「しらねぇよ;」
京助が口の端を上げて答える
「怪我はさせないよ。大事なヤツだし」
帽子の人物が言う
「ただちょっとおいちゃんに協力してもらうだけ…お二方に怒られるの嫌だし」
「お二方?」
帽子の人物が言った言葉に京助が眉をひそめた
「…お二方…お二方…な~んか前に同じ様な呼び方してたヤツが…」
京助が必死で何かを思い出そうとしている
「ってかアンタずっと背中向けたままで失礼じゃない?」
阿部が言う
「阿部ちゃん強ぇえなぁ;」
浜本が阿部を見て言った
「本当うるさいなぁっ」
「…ぶ」
苛立った口調と共に振り返った帽子の人物を見るなり生徒一同が噴出した
生徒達が見た帽子の人物の顔は真っ白い間の抜けた顔のお面の額に【笑】の文字が書かれたものだった