【第九回】ばかVSバカ
「やるって…逆上がりをか?;」
中島が聞くと鳥倶婆迦が頷いた
「おいちゃん中途半端は嫌なんだ」
腰に手を当てた鳥倶婆迦が言う
「おいちゃんは馬鹿だから一回で出来なくてもいいんだろう?」
生徒の半数が遅い家路につきはじめ自分達も帰ろうといっていた京助と3馬鹿が顔を見合わせた
「だったらやるんだ…だって悔しい」
鳥倶婆迦が鉄棒を見る
「せっかくの馬鹿なんだからおいちゃんはトコトン馬鹿になるんだ」
鉄棒に向かって鳥倶婆迦が手を伸ばした
「…しゃぁねぇなぁ;」
京助が溜息混じりに言うと3馬鹿も顔を見合わせて笑いながら頷いた
「ココまできたら付き合っていきますわん」
南が鉄棒横の草むらに腰を下ろした
「コーチが必要だろ?」
京助が鉄棒を叩いて言う
「実況中継も」
「いやソレはあんま必要なさげ」
坂田が言うと中島が突っ込む
「保護者も」
阿修羅が笑って言う
「えっと…私は…;」
緊那羅(きんなら)も何か言おうとしてるのか必死で考えている
「…お前等…だからどうしておいちゃんにこんなに付き合うんだよ」
鳥倶婆迦がボソッと言った
「…どうしてって…付き合いたいから?」
坂田が言うと一同が頷き緊那羅も一歩出遅れて頷いた
「…ヘンなヤツ等だね」
鳥倶婆迦が言う
「だって馬鹿だし」
「そー馬鹿だし」
「うむ馬鹿だし」
「馬鹿だしねぇ」
笑いながら京助と3馬鹿が言った
「いいねぇ~馬鹿って」
阿修羅が笑う
「そうだっちゃね」
緊那羅も笑って言った
「阿修羅は馬鹿の前か後にヘンタイがつきます」
京助が言う
「オイオイ;」
ソレに対して阿修羅が遠巻きに裏手でなんでやねん突込みをした
作品名:【第九回】ばかVSバカ 作家名:島原あゆむ