【第九回】ばかVSバカ
「おいちゃんも…馬鹿になれるの?」
鳥倶婆迦が鼻声で聞く
「なれるだろうさ~!! なんたって名前に馬鹿がついてるんだからさ」
京助が笑った
「お! 上手い事いうなぁ竜のボン!!」
阿修羅がカラカラと笑う
「あのね…私はただこんな風に体を動かすのが得意だっただけなんだっちゃ」
緊那羅が鳥倶婆迦に言う
「えと…だから…ばかみたく計算はできないと思うっちゃ;」
苦笑いで緊那羅が言った
「…おいちゃん…みたく?」
鳥倶婆迦が緊那羅を見ると緊那羅が頷いた
「俺もそうだぞ」
京助も言う
「オライもそうさね…小面倒くさいのは苦手なんよな;」
阿修羅が苦笑いを鳥倶婆迦に向けた
「…でもおいちゃん…計算も間違えたんだよ…?」
鳥倶婆迦が言う
「…お!! そうだ!! いいかばかよぉっく聞けよ?」
阿修羅が何かをひらめいたらしく笑顔で鳥倶婆迦を見た
「お前は【計算の天才】じゃなくて【計算の馬鹿】になりゃいいんよ」
「おお~!!! いいねぇソレ!!」
阿修羅(あしゅら)が言うと中島が言った
「だからお前はもう立派な馬鹿の仲間になってなさんのよな」
黙って阿修羅の話を聞いていた鳥倶婆迦が鼻を啜る
「計算…馬鹿…」
そして小さく言った
「ハイ!! ようこそ馬鹿仲間!」
男子生徒が言う
「おいちゃん…馬鹿になったの…?」
鳥倶婆迦が言うと阿修羅が笑顔で頷いた
「…じゃこの勝負ってどうなるワケ?」
本間が言うと一同がハタと止まった
「…司会者!!;」
中島が坂田にふる
「ワタクシ、ただ司会進行するだけなのでワッカリッマセーン」
坂田がエセ外国人口調で答えた
「引き分け?」
「いや…それもどうかと…」
「もういいじゃん;帰ろうよ~」
生徒達がザワザワとし始める
「…ばか?」
ふと阿修羅が鳥倶婆迦に目をやると鳥倶婆迦がどこかを見ていた
作品名:【第九回】ばかVSバカ 作家名:島原あゆむ