【第九回】ばかVSバカ
「…だってさ」
本間が阿部を肘で突付いた
「り…料理くらいアタシだって…ッ;」
「卵割ると必ず殻が入るのに」
阿部が言いかけるとミヨコが突っ込んだ
「バターを直火で溶かそうとするし」
ミヨコに続いて本間も言う
「剥いた林檎は最初から比べると三分の二くらいになるし」
またミヨコが言う
「い…いいじゃないッ;」
阿部が少し大きな声で言った
「これから上手くなるんだもん;」
そして小声で言う
「胸の大きさは互角だもん;」
阿部が更に小声で緊那羅を見ながら言うと緊那羅と目が合い緊那羅が阿部に笑いかけた
「じゃまず京助いってみよー!!」
坂田が言うと生徒達から歓声が上がる
「負けんなよ馬鹿!」
「やかましいッ! お前らも馬鹿だろうが!!;」
鉄棒を掴みながら京助が怒鳴る
「馬鹿だけどキングレベルじゃないし~?」
浜本が言うと一同が頷く
「でも馬鹿なんでしょ」
本間が言う
「まぁねぇ」
南が笑った
「何かしろ馬鹿なトコは誰だってあるさ」
中島が言う
「坂田はハルミさん馬鹿」
中島が坂田を指差して言うと坂田がまかせろ!! というカンジで親指を立てた
「南はありす馬鹿プラス裁縫馬鹿」
今度は南を見て言う
「そうそう! そして浜本は写真馬鹿」
南が浜本に言った
「一つでも馬鹿を作っておかないと疲れるよナァ」
京助が言う
「馬鹿って…こう聞くといいものに聞こえるっちゃね」
緊那羅が言った
「だろ?」
京助が笑う
「アンタは栄野馬鹿?」
「なっ!!;」
緊那羅に向けた京助の笑顔を見ていた阿部に本間が突っ込むと阿部が真っ赤になった
「否定しない否定しない」
ミヨコがポンポン阿部の肩を叩いた
「ひ…ひていってッ!!;」
「声裏返ってる」
阿部が言うと本間がまた突っ込む
「いいじゃない馬鹿で」
ミヨコが阿部に軽く体当たりをして言った
作品名:【第九回】ばかVSバカ 作家名:島原あゆむ