【第九回】ばかVSバカ
「で! ハイ! 気を取り直して~…レッツラ!!」
坂田が鉄棒の柱を叩いて言う
「ヘイヘイ;」
坂田に催促されて京助が地面を蹴った
「お~…回る回る」
男子生徒が拍手をしだした
「やるねぇ竜のボン」
阿修羅が言う
「あんなのおいちゃんだってできるよ」
どこか拗ねた口調で鳥倶婆迦が言った
「お~エッライ自信だなばか」
「鳥倶婆迦だッ!!」
阿修羅が鳥倶婆迦の頭に手を置いて言うと鳥倶婆迦がキーキー地団太を踏みながら怒鳴る
「でもお前…本当にできるんかぃ?」
阿修羅が鳥倶婆迦に聞く
「簡単だよただ回ればいいんだろう?」
そういうと鳥倶婆迦が近くに落ちていた棒っきれでグランドにガリガリと何かの式を書き出した
「栄野京助がこう回るってことは…ここに…おいちゃんの…」
長い袖をずるずる引きずりながら鳥倶婆迦が式を拡大させていく
「よし! おいちゃんの計算ではおいちゃんが勝つ!」
鳥倶婆迦が嬉しそうに言う
「そっかそか」
阿修羅が笑いながら言った
「京助18回!!」
坂田の声がすると生徒の歓声が上がる
「腹痛ッテェ~;」
京助が鉄棒の下に座った
「大丈夫だっちゃ?;」
緊那羅が駆け寄って声をかける
「出遅れ…」
「うっさいッ!!;」
一歩足を進めたが止まった阿部に本間が言うと阿部が怒鳴った
「ラムちゃん本当京助に付っきりだナァ…俺入り込めないじゃん;」
浜本が口を尖らせた
「まぁ…緊那羅と京助はな」
坂田が小さく言った
「ラムちゃんってある意味京助馬鹿なんだよねぇ…過保護っていうか」
南が言う
「第二の母?」
中島が言う
「父じゃないよねぇ…どう見ても」
南が笑う
「男だけどな」
「ヘッ!?;」
中島が言うと浜本が素っ頓狂な声をあげた
「男…って…」
「緊那羅(きんなら)は男」
浜本が聞くと3馬鹿がハモる
「マジで-----------------------------------!!!!?;」
浜本の叫びが夜空に響いた
作品名:【第九回】ばかVSバカ 作家名:島原あゆむ