住めば都 ~整形外科病棟~
手術は1時間45分。病室を出てから戻るまでが4時間。あとの2時間15分はどうなっていたんだろうと疑問がわいた。
手術前の説明では手術室に入ってから、私は麻酔をかけられ、医師たちは着替え手洗い等々準備をするのに約1時間。手術が終わって、麻酔が覚めるまでが約1時間という説明を受けていた。
では、その術後1時間はどんな風になっていたんだろうと思っていたが、尋ねることまではしなかった。
退院してから読んだ本の中に、術後の一般的な様子が書かれていたものがあった。
順調に麻酔から覚醒していくまでには、麻酔医によって細心の注意が払われていることを知った。麻酔医は手術前に麻酔をかければ退室し、それで終わりだと思っていた。術後も別室にそのまま寝かされ、時々ナースが様子を見に来るだけかなと想像していたのだが、全く違っていた。
手術中は患者の体に取り付けられた様々な機械のデータを見ながら、麻酔の量を管理したり酸素の量を調整したりするらしい。また、手術が終わっても、麻酔が覚めていくのが順調かどうかたえず注意をしているということだ。とても神経を使う仕事だと想像できる。
患部を切り取り、綺麗に縫合できても、患者が麻酔から覚めることができなければ、「手術は成功した」とは言えない。
作品名:住めば都 ~整形外科病棟~ 作家名:ねむり姫