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住めば都 ~整形外科病棟~

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 一連の処置が終わって、ナースが嬉しいことを言ってくれた。
「今日から朝食が食べられますからね」
「わ〜、うれしい!」
おかゆでも何でも、何かが食べられるということは嬉しいものだ。手術前日の夕食を6時にとって以来、38時間ぶりの食事だ。その嬉しかったことと言ったら、ちょうどおやつをもらう赤ちゃんのように満面の笑みを浮かべていたのではないだろうか……。

 午前8時。朝食の時間だ。お味噌汁のいいにおいが漂ってきた。
「はい、宮村さん、朝食ですよ」
と運ばれてきたのは、普通のご飯が大きめのお茶碗にタップリ。それにお味噌汁、ひじきの煮物にウニの佃煮だった。
『わ〜い、普通のご飯だ!!おかゆじゃなかった。』
ほかほかご飯にアツアツのお味噌汁。
「ありがとうございまーす。うれしいなあ」

『でも、どうやって食べるの?』
寝返りを打つことさえ自分ひとりでは出来ないのに。自分の体がこんなにも重かったなんて自分ながらに驚きだった。一人では起き上がれないし、横にもなれない……。

 すかさずナースがやってきて
「座って食べましょうか」
「エエッ!!もう座るんですか!?」
「ええ、ベッドを起こしましょう」
と、ベッドを起こしてくれたので、座って食べることが出来た。
その朝食の美味しかったこと。ペロリとたいらげてしまった。