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住めば都 ~整形外科病棟~

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  完全に麻酔から覚めるまで、ナースは何度も何度もやってきてくれた。来るたびに、
「足を動かしてください」
と言われればピコピコピコ動かす。
「しびれはないですか」
「痺れはまだあります」
「前からあった痺れですね」
「はい」
「あたらしく痺れたところはないですね」
「はい」


「傷口は痛くないですか」
「……重いです」
「足先の痺れはないですか」
「……腰が痛いです」

頭も虚ろでトンチンカンナ受け答えをしたような……。

「胸の音を聞きます」
「お腹の音も聞かせてください」
と聴診器を胸やお腹に当てる。
「お腹が動かないとお水は飲めません。……まだやね。お腹が動くまで我慢してね」

姉たちが帰ってからも何度も何度も覗きに来てくれて、そのたびに同じことを聞く。