お竹 勘十郎―おたけかんじゅうろう―
しかし、すでに数人の役人が待ちかまえていたのでした。
必死の抵抗もむなしく、ふたりはついにとらえられてしまいました。
翌朝、殿様の前に引き立てられ、裁きを受けました。
怒り狂った殿様の命令で、ふたりは町中を引き回され、打ち首となりました。
そのとき、飛んだお竹の首は、笹の葉にかみつき、無念の涙をのんだゆえか、以来、その地に笹の生えることはなくなったそうです。
こうして、ふたりが処刑された丘を、誰いうとなく、「お竹勘十郎」と呼ぶようになったと言うことです。
作品名:お竹 勘十郎―おたけかんじゅうろう― 作家名:せき あゆみ