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郷田三郎(G3)
郷田三郎(G3)
novelistID. 29622
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鳥葬(チョウソウ)

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<鳥葬(チョウソウ)>

「じぃさんもとうとう逝っちまったな」
 深く吸い込んだタバコを吐き出しながら、村の長である八郎爺が呟いた。

 とある村の集会所…… 夜中だと言うのに蝋燭一本の灯りも点けずに村の皆は談合に集まっていた……。

「ああ、生まれは'02年だか'03年だそうだから、もうかれこれ400年も生きてた事になるだべか……」
 じぃさんの跡継ぎである猫丸は落胆のせいなのか真っ青になっていた。
 猫丸の妹も流れる涙を拭おうともしない。
「こんな、子供みてえに若けえ顔してるのによぉ、身体の中ぁボロボロになっちまってるんだろうナァ」
 一郎・二郎の兄弟が口を揃えて言う。
「赤ヒゲの先生が腹ぁ開けて見ただが、、、もう手の施し様も無かったんじゃと」
「良いお方じゃったがそんな事を言っても始まらん。 問題は亡骸をどう弔うかじゃ。 のう皆の衆」
 八郎爺は村の長らしく今回の集まりのまとめに入ろうとする……。
「どうするもこうするも無ぇべ。 ここじゃ昔っから亡骸の始末は”鳥葬”って事になってるべ」
 一際大きな身体の鉄っつぁんが口を挟んだ。
(鉄っつぁんは次の村長の座を狙っていると言われる村の大物のひとりだ。 だが、ヒトの意見に惑わされ易いということで、今一つ信用が無い……。)
「如月の婆さんはどうだね?」
 八郎爺は出席者の後の方いるボロをまとった女性に声を掛けた。
「あたしゃ、爺さまにゃ随分と世話になったからのぉ、あんな惨い目にゃ……」
 涙ながらの答えに大勢の者がうんうんとうなずく。
「しかしのぉ、鉄っつぁんもああ言ってるこったし、村の掟でもある。 おらぁやっぱり山に置いてくるしかねぇと思うど」