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カナダの自然に魅せられて  ~トロントへ~

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25、ナイアガラ・フォールズへ




トロントへ来たらやはり「ナイアガラの滝」を見ないことには…と言うことで、トロント二日目はナイアガラへ行くことになった。
美月は前もって行き方を調べていた。
「明日は朝早いよ。カジノ行きのバスで行くから大きな荷物は持たないでね。カジノへ行くんだよ」
「へっ!?カジノ?何でそんなとこへ行くん?お金もないのに」
「カジノをしに行くんじゃなくって、そのバスを利用するだけや。カジノ行きの専用バスは長距離バス片道の料金で往復できるから」
「……」
「それに、その長距離バスのバス停より、カジノの方が滝には近いからね」
私が持っていたガイドブックにもその方法が書いてあったから、利用してもいいんだろうと納得した。
「美也さん、美優ちゃんに会うなら早く行って早く帰ってきた方がいいでしょう?」
「そうやね。昨日の時間より早く会うようにしないとね」


朝、朝食を済ませて、支度をしていると、
「美也さん、まさかその格好で行くん?」
「え?アカンのん?」
「カジノやで。カジノヘ行く格好してよ」
「そんなん今まで行ったことないのに、どんなんがええかわからへんやん」
今まで、機内持ち込みも、船長さんのお宅に行くときも、VIA鉄道に乗るときも、ジャスパーのレストランへ行くときも、雪上車に乗るときも、バンフの街を歩くときもぜ〜んぶ同じデイバックの中に、ガイドブックとデジカメと文庫本を入れ、ショルダーバッグにはお財布やパスポートなど貴重品を入れて肩からぶら下げていた。
ずっとそんなふうにしてきたのに、ナイアガラに行くのはこれではダメだと言う。
姉も同じくデイバックとショルダーバックだった。二人ともちょっとダサかったかな。

そういわれたので、仕方なくデイバッグは諦め、ショルダーバックの中にデジカメを入れ、ガイドブックのナイアガラのページをビリビリと引き裂き、バッグのポケットに入れた。

さ、準備OK。

玄関を出るときに、再び美月が、
「パスポートは持った?!」
と確認した。
「大丈夫いつもこの中だから」(^0^)v
それから、大通りを歩き、カジノ行きのバス停までズンズン歩いた。かなり歩いた。
大学を通り過ぎ、大きな公園の前を通り、病院、銀行、スーパー…、いろんなところ通り過ぎた。キョロキョロしながら歩いた。

到着するのと同時にバスが来た。

乗り込もうとしたとき、美月が、
「あっ!!」
と小さく叫んだ。美月はパスポートをB&Bに忘れてきたのだ。
あれだけ自分で言ってたのに、出ようとする玄関でも確認したのは美月だよ。
なんということ!!

美月、この旅二つ目の大失敗。
19歳以下はこのバスに乗れないので、年齢確認のためなのか、何のためなのかわからないがパスポートを必ず提示しないと乗れないのだ。
美月は、係りの人に早口で英語をしゃべり、何とか乗り込もうとしたが、結局断られてしまった。
ア〜ア、普段なら怒るところなのだが、私も姉もここはグッと我慢した。美月にはここまでとっても世話になって来たんだから…。
仕方がないので、次のバスに乗るために、美月はまたホテルまで取りに変えることになった。私たちは今まで早足で歩いて来て疲れたので、どこか涼しいところで待つことにした。

「お店に入って、お土産でも見てる?」
「でも、お金ないもん」
そうだ、トロントで、両替しようとしてたんや。バスに乗り遅れて良かったかも。カードは持ってるけど、小銭がないことには困る。
そこで、銀行に入って涼みながら美月を待つことにした。