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カナダの自然に魅せられて  ~トロントへ~

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サンフランシスコにはあっという間に着いた。朝の8時半だっただろうか。
日本に向けての出発時間、12時までは充分すぎるくらい時間があった。
ガランとした待合室は冷房が効きすぎて寒いくらいだ。
旅なれた人は、ここでSFの街へ出かけたかも知れない。私たちは、そんなことをしようという考えさえ思いつかなかった。

UAの格安チケットを買ったものだから、往きの大阪空港は朝8時発。そして成田が午後4時発だった。なが〜い時間待った。成田でも待ちくたびれた。
復路もバンクーバー早朝6時発。そしてSFが12時発。
往きと帰りで二日分の観光時間を損した気分だ。値段を安くすると言うことはこういう落とし穴があるんだと知った。
今度海外に行くときはよ〜く考えようと思った。何も知らない私たちにはいい勉強になった。


しかし、SFでの約3時間半の待ち時間をどうしようか…!?
まだ、眠くてボーとした頭は、同じサンフランシスコ空港での入国手続きのことを思い出して一人で笑ってしまった。


初めてのアメリカの地、サンフランシスコ!
バンクーバー行きへの乗り換え時間はたったの1時間半しかなかった。
大きな空港でもあり、入国審査が厳しいアメリカだ。
バンクーバー行きに乗り遅れないように飛行機から降りたとたん、通路を速足で歩いた。どんどん抜かして先を急いだ。
そして一番短い列に並んだ。それでも随分待った。

ここでもあるある、失敗談。
日本を発ってまだ10時間。英語には全く慣れていない。
機内で書いた入国審査カードは、CAのかっこいいお兄さんに教えてもらいながら書いた。
それを持って、窓口に出した。

入国審査員に、アメリカ入国の目的は何だと聞かれて、咄嗟に「KANKO」と答えてしまった。
自分でも観光はないやろと思う。「トラベル」なり「カナダへトランスファー」ぐらいは言えただろうに…。

係員は、
「#$%&’*+…?」
と聞くが、さっぱり分からない。そこで、すぐ後ろに並んでいた姉を手招きし、
「お姉ちゃん、お姉ちゃん、来て!!」
姉は数回の海外旅行経験があるので、私よりは少しだけマシだった。

ニュージーランドに留学していた美月をたずねて一人で往復もしていた姉は私よりは英語は確かだった。何とか聞き取ったのだろう。
「私の娘を訪ねて行きます。娘は学生です。この人は私の妹です」
のようなことを話してくれた。それで、やっとOKとなり、写真と指紋を取ってパスすることができた。
姉がいなかったら、ここで、時間をくってたら乗り遅れてしまったかも知れない。

この後の金属探知機のゲートでも引っかかってしまったのだから。女性の係官が来るまで、裸足のまま随分待たされた。
ロスタイムはかなりのものだった。
それでもギリギリ間に合った。

帰りは入国審査もなかったなあ。10日間滞在したから少しは英語も聞き取れるようになったのに、ちょっと残念だった。