カナダの自然に魅せられて ~トロントへ~
34、空港で
[第3段階の目当て 搭乗手続きはクリアできるのか]
早朝第一便だというのに、空港の中にはすでにたくさんの乗客、スタッフが動いていた。
UAの手続きをしないといけないが、ここもまたカルガリーと同じくタッチパネルで自分で手続きをしないといけなかった 。
日本語バージョンを選んで、画面で指示されるままにタッチしていった。
カルガリーでの予習が利いたのか何とかチケットを手に入れることができた。
ホッとしたとたん、姉が、
「アッ!マイレージ!」
と叫んで、またパネルをタッチした…。
このときからおかしくなって、わけが分からなくなってしまった。
モタモタしている私たちを見かねて、女性スタッフが傍まで来てくれて、いとも簡単にタッチし、
「はい、向こうへGO!」
と。
私たちは???
そして、荷物の預け口に並んだ。
スーツケースを台の上に乗せる。
私はクリア。姉は…。
「NO!!」
と冷たい係りの人の声。
「わあ、やっぱり〜^^;」
姉のスーツケースは予想通り重量オーバー!
姉は慌ててスーツケースを開け、いの一番に、母へのお土産だったあの重い木彫りの熊のコースターを取り出して、
「美也、これお願い!」
「あ、これも」
それらが、私のデイバックの中に入ったのだった。
う〜、重い!!仕方がない、飛行機から降りるまでだから我慢がまん。
あと重そうなものを私と姉のデイバッグに振り分けて…、やっと合格。
急いで搭乗口に向かった。
帰りもサンフランシスコ経由なので、あの悪夢…ロストバケージ…が二度と起こらないように、これだけは絶対聞こうと前夜から会話文を電子手帳で引いていた。
何度も何度も唱えて覚えた。そして使ってみた。
「この荷物はサンフランシスコで受け取りますか?」
と。ヨシ、上手に言えた!!
そうすると、係りのおじさんが、
「NO!!」
と力強く言ってくれたので、ホッとした。
来たときのように、一旦荷物を受け取らず、そのまま関西空港まで運んでくれるということだった。(帰りは成田を経由せず、関空直通だった。)
「ああ、よかった!」
そして、バンクーバーを後にした。
作品名:カナダの自然に魅せられて ~トロントへ~ 作家名:ねむり姫