カナダの自然に魅せられて ~トロントへ~
美月は、空港に一番近いホテルを選んでおいたからねと言っていたけれど…。
私の中で空港に近い…とは、大阪空港のイメージだった。
大阪空港近辺のビジネスホテルは歩いてでもいける距離にある。阪急電車の蛍池駅もすぐ近くだ。大阪の市街地にもすぐに行ける。そんなイメージだったのに!!
これまで、広大なカナダを体験して、幾度となくその距離感や時間の感覚を修正してきた私たちだったが、またしてもここで大失敗をしてしまったのだった。
シャトルバスに乗りながら、『一体、ホテルはどこなの!?何分バスに乗ってるの!?』という不安を抱きながら、ホテルに着くまでに、姉は残りのお土産を諦め、私はカナダ最後のご馳走を諦めたのだった。
ホテルはレストランも付いていない小さなビジネスホテルだった。
姉が予約カードを見せながら、何とかチェックインできた。
「明日の出発は何時ですか?」
「え〜と、6時発のUAです」
「じゃ、4時のお迎えでいいですね」
「はい」
と姉は答えたが、私は3時半のほうがいいんじゃないかなと思った。こんなに空港と離れているし、搭乗手続きでモタモタしたら…と思ったから。でも、言えなかった。
フロントは、
「大丈夫です。4時で!!」
と言い切った。
仕方ないか…。
お部屋はゆったりとしたツインだった。しかもカナダに来て、初めて湯船のあるバスルームがついていた。それまではシャワーしかなかったのだ。
カナダの人たちは湯船に体を沈めることはしないのかな。
私たちは、湯船にお湯をはり、ゆったりと体を休めた。やっぱりこれが一番疲れが取れる〜。
お部屋に落ち着くと、またまたおなかが空いてきた。
カナダ旅行なのに、カナダ料理と言う料理は何を食べたのか考えてみた。
1日目…美月が作ってくれたサケのムニエルとカナダのビール。
2日目…ケベック出身の若奥さんが作ってくれたフランスの家庭料理。
4日目…アルバーター牛のステーキ。
これだけだ!!
最後の夜のこの日も空振り!食事にはよくよくツイていない。
カナダは様々な国からの移民が多い。だから各国の料理も多い。
チャイナタウンやコリアンタウンがあるから中華料理や韓国料理も多い。日本料理の店も多い。おすし屋さんも多い。バンフやジャスパーのような山の中の町にもある。
イタリアンやインド料理・タイ料理もあった。
「カナダ料理」という限定の店のほうが少ないのかも知れない。
最後の夜もまた、明日の朝のためにと空港のコンビニのような店で買ったものを仕方なく食べた。姉はパンで私はまたまたカリフォルニア巻きだった。
作品名:カナダの自然に魅せられて ~トロントへ~ 作家名:ねむり姫