カナダの自然に魅せられて ~トロントへ~
エレベーターの前にもまた並んで何回か上がり降りした後、やっと乗ることができた。
300m以上も上昇するというのに、高速エレベーターはアッという間に展望台に達してしまった。
展望台は観光客でいっぱいだったが、ここは霧の乙女号と違って、人が歩きながらぐるりと移動してくれる。だからしばらく空くのを待っているとその場所にするりと入ることができた。
気持ちよく景色を見、写真も撮ることができた。
快晴だったこの日、上からの眺望は素晴らしかった。
昨日歩いたバスディーポからの南北の通りが見える。
目印にした会社の大きな看板がここからも見えたのですぐに分かった。
ああ、あそこを歩いたんだ。だとすると、あの方向がクイーンズ・パークとトロント大学だ。
その方向には、オレンジ色の建物が多く、レンガ造りの歴史的建造物があるんだなと分かる。
緑の木々も多かった。きっと今もリスがチョロチョロしているのだろう。
手前側、ユニオン駅の近くには、対照的に現代的な高層ビルがたくさん建っていた。
ガラスばりのビルも多い。
屋根の上一面に太陽光パネルを使っているところもあった。
だけれども、総じて高いビルは少なく、少し中心街から外れると、緑が多くなり低い建物の綺麗な街並みがずっと奥のほうまで続いているのが見えた。
ぐるっと回って、反対側の南を眺めてみると、眼下にははるか遠くまでオンタリオ湖の湖面が広がっていた。
広すぎて向こう岸は見えない。
とてもよく晴れて霧がない日にはナイアガラまで見えるそうだが…。(ホントカナ?)
そして、人口島のようなところには飛行場らしきものが…?
カルガリーからの飛行機が降りたのはここじゃなかったし…?
滑走路がその島の端から端まで1本だけピシッと通っていた。
しばらく見ていると、小さな飛行機が1機やってきて降り立った。トロント市民空港というそうだ。
湖に浮かぶこの島はトロントアイランズといって、ほぼ緑で埋まっている島だった。それも北のダウンタウンとは対照的だ。
無人島だろうと思っていたら600人ほど住んでいるそうで、フェリーも通っていた。島の入り江にはヨットがお行儀よく並んで停泊している。
ここはレジャーを楽しむ島なんだな。
CNタワーの近くの岸壁にはフェリーやらクルーズ船乗り場なども小さく見えた。
また、西の方向には、風力発電の羽が大きくゆっくり回っていた。
こんな都市の真ん中にも風力発電機があるのには驚いた。それだけ土地が広いということだろうか。
作品名:カナダの自然に魅せられて ~トロントへ~ 作家名:ねむり姫