カナダの自然に魅せられて ~トロントへ~
29、トロント大学で
お店を出て寮に向かった。
店の前の通りを渡るとそこはもう大学のキャンパス。
目の前の信号は、手をパーにした「ストップ」の赤いランプが点いていた。しばらく待って、今度は同じ場所に人が歩く姿の青い「ゴー」のランプが点いた。日本の信号とは少し違っていて、その違いが面白かった。ところ変われば…である。
セント・ジョージ・ストリートを北に向かって歩いた。
トロント大学はとても広い敷地の中にある。東西南北、4本の大きな通りに囲まれていて、その中すべてが大学の敷地だ。
ここはトロントのダウンタウン近くのセント・ジョージにあり、セント・ジョージキャンパスと呼ばれている。
ここのほかにもあと二箇所にキャンパスがあると言うことだ。
ダウンタウンの近くなので、地下鉄、バスなど交通もとても便利なところにあった。
東にクイーンズ・パークと言う大きな公園もあり、その公園の中には州議事堂や近くにいくつかの博物館まである。
私たちが歩いたのは、公園と反対の西の通りを歩いたが、歩道を通る人は若者ばかり、大学の構内だから当然かな。
構内といっても、門もなく出入り自由、とてもオープンな雰囲気だった。
歩道と校舎の間は綺麗に整備された芝生。
少し植木が植わっていて、すぐ向こうが校舎だ。
バンフで見た建て方と同じ、地面と同じ高さに窓があって、あ、ここも地下の部屋なんだということがわかった。
あれっ!!
あれっ、あれっ!!
わ〜い、リスだ!!(^0^)/
芝生の向こうから1匹、チョロチョロって出てきたよ〜
芝生の真ん中で立ち止まり、こちらを伺っている〜〜〜〜♪
かわいい〜!!
「こんにちワ〜、やっと出会えたね、リス君」
やっと出会えたリスは、すぐ側にあった大きな木にパッと飛び乗り、木の陰からこちら側に半分身を乗り出して覘いてた。その姿がまたカワイイ!
そして、あっという間に、スルスル〜と上のほうに登っていった。
すると今度は、歩道側のブロックの上にチョコンと乗って、これまたこちらの様子を伺っているリスが1匹。
尻尾が大きい!フワフワ〜、眼もクリクリ〜!
昨日、バンフで一瞬見たリスとは違って、色は黒く、眼の周りの白はなく、耳も昨日のリスより少し長くとがっていた。
こちらが動かず、何もしないとみたそのリスは、ささーっと歩道を横断して校舎と校舎の間に入っていってしまった。
「追いかけよう!!」
すぐに追いかけたが、すばやくて、どこに逃げ込んだのかわからなくなってしまった。植え込みの間も見たがいなかった。校舎のどこかに入り込んだのかも知れない。
美優が言ったのは本当だった!トロントではリスはどこでも見られるんだ。
こんな大都会の真ん中でも。大事にされているんだな。
作品名:カナダの自然に魅せられて ~トロントへ~ 作家名:ねむり姫