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漢字一文字の旅  第一巻(第1編より第18編)

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十四の二  【百】


【百】、下部の「白」は、白骨化した髑髏(しやれこうべ)の形だとか。
その上に「一」が乗っている。それがなぜ「100」になるのかわからない。
だが(ひゃく)という読み、それは「白」(はく)からきてるそうな。

そんな【百】、「年」が付いて『百年』。
「百年の恋も一時に冷める」
「悪妻は百年の不作」

あまり良い意味では使われていない。だが、江戸時代末期の幕臣、勝海舟は好んだようだ。
「大人物は百年に一度しかあらわれない」と言い放った。
確かにそうだが、これって、自己評価…ってこと?

また一八六〇年、咸臨丸(かいりんまる)の艦長として遣米使節団に同行し、ホワイトハウスへ。そして、大統領に通商条約批准書が渡った時、達観した言葉を吐く。
「百年の後に知己を待つのだ」と。
この意味は、百年後に答が出るのだということ。
ならば百年後の一九六〇年、その結果はどうなったか?

TVのカラー放送が始まり、森山加世子は「ティンタレラ・ディ・ルナ♪」と…、まことにアメリカ風平和一色となった。

ことほど左様に、かっての日本人は『百年』がお好きだったようだ。
一九〇一年の正月。百年後の予言が報知新聞に載った

西暦二〇〇〇年には…
無線電信及電話
遠距離の写真
暑寒知らず
鉄道の速力
自動車の世  等々

いろいろ予言されたが、ほとんどアッタリー!
だが、中に外れたものも。
「蚊および蚤の滅亡」
蚊なんて、今もおりますがな、うじゃうじゃと。

「人と獣との會話自在」
ワンちゃんが寒い寒いとワンワン吠えてるのに、腹巻きさせて、小雪舞う中、引きずるようにお散歩に。 
会話なんてできてないよな…ウ〜、ワン。

いやはや、【百】という漢字、とにかく話題に事欠かない漢字なのだ。