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漢字一文字の旅  第一巻(第1編より第18編)

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十三の五  【執】


【執】、左部の「幸」の古い形は、両手にはめる手かせ。
右部の「丸」の古い形は、両手を差し出している形だとか。
これで罪人をとらえる意味らしい。

そして、「執着」、「固執」、「執念」などの熟語を作る。
いずれも手かせをはめられた罪人のように、囚(とら)われの身となる。

この意味合いを、英語ではフェティシスト「fetishist」と言う。いわゆる『フェチ』だ。
世間では足フェチに胸フェチ、そして太っちょフェチ……いろいろなフェチがあるようだ。

で、あなたは何フェチ?
我が悪友、高見沢一郎の場合は、不埒(ふらち)にも…『え』付きフェチ。
この場を借りて、高見沢の言葉で紹介させてもらえば、

(一) えくぼ
ぺこっと凹んだえくぼ、めっちゃ可愛いんだよ

(二) えりあし
乱れた後れ毛が…、そんな襟足、ぞくぞくっと

(三) えら
ちょっと張り気味の角張り、
なにかそこに引っ掛かってみたいなあ

さらに、高見沢曰く。極上大吟醸の「え」付き、
それは…京言葉の語尾の『え』。

あかん え
きばるん え
どないしゃーはたん え  などなど

悪友の高見沢一郎は、この『え』に…【執】。
しっかり手かせ足かせをはめられてしまっているようだ。