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漢字一文字の旅  第一巻(第1編より第18編)

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十三の二  【龍】


【龍】は、【竜】の字の方が古く、中国神話の動物の姿を表す。
それをより複雑かつ厳かにしたのが【龍】だとか。
二〇一二年の干支は【龍】。
そんな【龍】を三つ集めた一文字漢字。

・・・  龍  ・・・
・・・  龍龍  ・・・

【龍】の歩く様で、(トウ)と読む。
そして、その上に「雲」を被せてしまえば、

・・・   雲  ・・・ 
・・・  雲龍雲 ・・・
・・・    龍龍  ・・・

これで一文字であり、八四画の漢字。総画数が一番多い。
読みは(たいと)もしくは(おとど)。
人名だそうだ。
一九六〇年代に、一人の男が証券会社に現れた。そして、名刺を差し出した。そこには…

・・・   雲  ・・・ 
・・・  雲龍雲 ・・・
・・・    龍龍  ・・・

この「たいと」の名前があった。古今東西、この一件だけが確認されている。
その後、このオッチャン、どうもホントに、「雲」の下に隠れてしまったらしい。

さてさて、そんなお騒がせな【龍】、いつも手にしている玉が…如意宝珠(によいほうじゆ)だ。
意のままに願いを叶えてくれる龍玉、いわゆるドラゴンボール。
欲しいものだが、龍は決して手放さない。
なぜなら、龍は転生する前、人間だった。その一杯の煩悩がそこに封じ込められてある。

そんなドラゴンボール、人間に渡したら、再び煩悩が飛び出してきて、何をしでかすかわからない。
危なかっしくって…。 

角は鹿、頭はラクダ
眼は鬼、身体は蛇
腹は蜃(はまぐり)で

背中は鯉、爪は鷹
掌は虎、耳は牛
長髯で、背に八一枚の鱗

そして、喉下には一尺四方の一枚の逆鱗(げきりん)が
秋になると淵の底に潜み、春には天に昇る
また啼き声で嵐を呼び、竜巻となり天空に昇り
自由自在に飛翔する

そんな爬虫類?
いや、【龍】が申しておりますが、
夢は自分で叶えろ! と。
おいおい、つれないぞ!

やっぱり欲しいなあ、如意宝珠の…【龍】玉が。